第7話
「~。」
「ん?」
「あらナノちゃん?どうしたの?」
何か声のようなものが聞こえたような気がして振り返ったナノにエルファは首を傾げた。
「知ってる。」
「え?なにが?ってどこ行くの!?」
最近聞いた声に気がついたナノは声がした方であろうある場所へと向かった。
「〜。〜〜!」
「やっぱり」
「え、何ここ…まるで精霊の里並の魔力濃度だわ…。ってえ!?ナノちゃん!!?その人いやお方に何してるのよ!?」
私は見つけた女性?に抱きしめられたので抱き締め返していると後ろから追ってきていたエルファに驚かれた。
「ん?…だれ?」
「えぇ!?知らないのに抱きついてたの!?そ、それよりそのお方から離れた方がいいわ!そのお方は上位精霊の水精霊よ!?」
「〜?〜〜!!〜。」
そう言いながらエルファは私を女性から引き離し距離を取った。
女性は私との距離が開くとすぐ距離を縮めまた抱きつこうとしてきた。
「え?なんで…?」
「ん、ぎゅ〜」
「〜!」
「えぇ〜…なにこれ?どういうことなの??」
2人が抱きしめあっているのを頭を抱え混乱しながらそう言うエルファ、さてお待ちかねそんなエルファをよそに抱きしめてるナノの考えていることを見てみましょう。
「ん。(ふぉぉ!女性の感触柔らかい!!あとなんかいい匂いする!花かな?何の花だろうか!?わからん!そもそも花の匂いが分からんわ!!それよりこの女性は誰だ?ここら辺で聞いたことある声だと思ってきたんだがこの女性からしてるしな…あれか?声が似てても実際別人だったって言うあるあるなやつだったのか!?それであの子はどこだ?あのザ・水の妖精みたいな子、前に試しに一緒に作ったあれをあげたきり会ってなかったんだよな!ここに居るかねぇ?)」
「〜!」
「ふぇ?(え?なになに?何言ってるか私分からん!妖精語なんて習ってねぇよ!いやそもそも日本語しか知らねぇ!英語?外国語?私知らないなぁ!ナニソレオイシイノ?ってえぇ!?いきなりお胸見せてきてどした!?お?それってあの子にあげたやつやん!…あぁなんかわかった気がする。あれだな!異世界あるある、何らかのきっかけで相手が強化か進化して大きくなるやーつ。さては貴様!あの女の子だな!そうなんだな!お久しぶりですそのお胸さんをしまって妖精の言葉を教えろください!何言ってるかわからんのですわ!!)」
え?男ならお胸見れて嬉しいだろって?姉の裸族姿見てたから自然と慣れちゃってんだわ!んなものに欲情もなにも湧かんわ!それより言葉よ!言葉!何言ってるかわかんねぇから少し気まずいんだわ!一生懸命言ってるのは良いんだがわかんねぇよ!
「え、その水晶…も、もしかして水流水晶!?なんでそんなものが!?」
「これ?(ん?エルファこれ分かるのか?これさっきまで拾ってた小魔石をただ固めたものだぞ?なんでそんなに驚いてるんだ?あ!もしかして綺麗な球体で水晶みたいだったからか!ふふふ…すごいだろ?これやったの私なんだぜ?)」
「〜」
女性は驚くエルファにドヤったような顔をしながら胸に嵌められているその水晶を見せつけていた。
「うわぁ…しかもよく見ると純度高いわ…。中身の水みたいなのの動きが見てわかるもの」
「凄い?(純度?動き?どういうことだ!すごいのか!?おぉー!私は凄いのを生み出したのか!?おぉーー!!欲しいの?欲しいのか?まじまじ見てるし欲しいのだろぉ?ふふふ、丁度20くらい拾ったし今の私の拳ぐらいにしかならないけど作ってあげよう!ふふふ驚くがいいのだ!女性さん手伝って!やるぞー!)」
「〜?〜!」
「え?いきなり拾った小魔石なんか取り出してどうしたのよ?…えっどういうこと!?小魔石が溶けて混ざりあってる!?」
女性が水色のオーラのようなもので小魔石を包むとドロッと小魔石は溶けて粘土のようになる。
それを私はこねこね、にぎにぎとひとつにして団子を作るように丸めて行った。
「ん。(女性さんは丸くしようとしてもどうしても細長くなったり歪な丸になったりしてたよね!だから私がこねこねしてあげたんだよねぇ…。あ、黒ずみ出てきた!汚いこれは要らないからぽいっとしてまたこねこね!出てきたらぽいっこねこねぽいっだよ!そろそろ良いかなぁ?固まってきた!あとは仕上げにきちんと球体かの確認ー。よし!綺麗!上手に出来ましたー!肉じゃないよ!)」
「うそ…小さいけどこれ水流水晶じゃない…」
「〜!」
女性さんが取ろうとしたのでだめと手で制しエルファにその水晶を見せた。
「どうぞ?(ふふふ、欲しいのだろぅ?これを君にあげようではないか!なに小魔石をくっつけただけのものだ気にするな!)」
「も、も貰えないわ!?こんな希少な物、貰うにしても私あなたにお返し出来ないわよ!?」
「むぅ…あ(確かに…これ何やら表情とか見るにやばめなものらしいし帰って困らせちゃうのかもしれないか…あ、取られた。そして食べられた。え?美味しいのそれ、めっちゃバリボリ言ってますけど!?口大丈夫なのか?この人すげぇ!)」
「~!~~。」
取られたことにそして食べられたことに驚き興味深そうにする私とそれに対してほっとするエルファと一緒にボリボリと水晶を食べて喜んでいる女性さんを見るのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます