第6話

エルファ目線


私の名前はエルファ、その後にも名前は繋がっているけど長ったらしいしもう捨てた名前だからただのエルファでいいわ


「なぁ今回はこの依頼受けねぇか?」

「お、護衛依頼ですか!ここ最近討伐系だったのでたまにはこういうのいいかもですねぇ」

「良いね!賛成!」


私たちのチームリーダーのダンが持ってきた依頼書はある村までの護衛依頼です。

タンクのアルクの言う通り最近は討伐系の依頼ばかりで疲れていたので私もこれには賛成。


「私も賛成よ?それより何日間の滞在なのかしら?」

「2日の移動と3日間の滞在帰りも合わせてだいたい7日間ってとこか?」

「おぉ結構な日数ですね...これはのんびり出来そうです。」

「2日ってすっごく暇そうだね!暇つぶし用のもの買わないと!」


それからみんなでワイワイとご飯を食べたあと各自準備を取った。


「今回依頼を受けたダンだよろしく頼む」

「アルクです。」

「カナです!」

「エルファよ」

「いえいえこちらこそ、ココナ村の交易担当商人のリーダーのカシと申します。よろしくお願いします。」


それから2日後、特にこれといって問題なく朝方には村に着きました。


「ここまでの護衛、ありがとうございます。それでは私たちは村の人たちと交渉してきますので3日後、よろしくお願いします。」

「おぅ!っとすまない質問なんだが依頼書にあったこのテント貸し出しっての説明を頼めるか?」

「はいそれはですね━」


ダンがカシさんと話しているのを横に私は辺りを見渡した。


「え?うそ...でしょ?」


そこでありえないものを私は目にした。

なんと子精霊、言わばちゃんとした精霊になる前の不安定な魔力が1箇所に集まってるのです。

まず子精霊を含めた精霊は普通の人には見えないと言われています。

そして見えるのは私のようなエルフが持つ種族スキル[精霊眼]がなければいけない、それなのにこれほどの子精霊が集まるなんて本当にありえないと思い、近ずいてよく見てみることにそこには1人の女の子が立っていた。


「あなた...なんでそんなに子精霊に懐かれているのよ!?」


なんと女の子には沢山の子精霊達がが自分の匂いを付けるかのようにすりすりとその女の子にくっついていました。

それも全身覆っていると言ってもいいぐらいに、私はそれにまた驚きそう声を上げてしまった。


それを聞いたダンたちが心配してきて私はなんでもないと言って女の子の方を見たが女の子はその場を離れて行っていた。


「なんであんなに子精霊に懐かれているのか...気になるわね...。」


私は好奇心に駆られ女の子の後をついて行った。


「ちょっと!待ちなさい!」

「なに?」


女の子が家に入ろうとしたので私は焦ってそう声を上げてしまった。

私は女の子を怖がらせてしまったかもと思ったけどそんなこと無く平然とした顔でこちらを見ていた。


「少し聞きたいことがあるのだけれど良いかしら?」

「やだ」

「えぇ...。」


平然としていた女の子に私は少し驚いたけど気を取り直してそう聞いた。

だけどその一言を言われ女の子は家に入って言ってしまった。

私は少しぐらい話をしても良いじゃない!と思ったけどもしかして少し威圧的だっかから内心で怖がられていたのでは?と思い反省しました。


そして翌朝、その子の家の前に行くとき井戸でお水を組む女性がいました。


「重そうね...?少し手伝ってもいいかしら?」

「えっ!?ってあぁ冒険者の方ですか?いえそんな手伝ってもらう訳には...」

「そうね...私起きるの早すぎて今暇していたのよ、だから暇つぶしよついでよ?気にしないで良いわ」


そう言って私は女性が水を入れた壺を1つ持った。


「ふふ、ありがとうございます。」

「気にしないで?それで、家はどこ?」

「あっちの方です。」


そう言って案内をしてくれる女性について行くとまさかのあの女の子の家だった。


「まさかの縁ね...」

「ん?何か言いましたか?」

「いやなんでもないわ。それより置く場所はどこかしら?」

「こっちです。」


家の中にお邪魔させてもらいキッチンの隣に壺を置いた。


「ありがとうございました。っとそうだ!お礼に朝ごはんをご馳走しますね!」

「え?良いのよ別に私が暇つぶしでやったことで」

「いえいえ、そういう訳にも行きません。」


これは断れないわね...。と私は思いご馳走させてもらうことになった。

数分後、部屋から物音がし男性が起きてきた。


「おはよう...ってうぉ!?誰だ!?」

「あらあなたおはよう?この人は冒険者の...あ、ごめんなさい名前聞いてなかったわ」

「良いのよ私はエルファ、今回は護衛依頼でここに来ているわ」

「ふふ、ありがとう。私はタタよ、でこっちは」

「タタの夫のガハルだ、よろしく」

「えぇ」


それから手伝った事にお礼を言われ料理をしているタタさんを後ろにガハルさんと話をしているとまた奥の部屋から物音が聞こえてきた。


起きてきたのは昨日の女の子、目を擦りながら眠そうにしていた。

そんな仕草に可愛いと思っていた私を見つけた女の子は数秒間固まったあとなにやら諦めたような雰囲気で椅子に座った。


それから朝ごはんをもらい私は1度ダン達のところに戻った。


「おはようエルファ!朝見なかったけどどこ行ってたの?」

「エルファおはようございます。朝ごはん終わっちゃいましたけど残り物がないか聞いてきましょうか?」

「えぇおはよう。アルクありがとうでも大丈夫よ。朝ごはんは食べたの」

「そうなのですか?」

「え?そうなの?」


何があったのかを私は説明したあと、ダンも来たので同じ説明をしてあとは各自自由行動となった。


「あの子は...あれね、木の棒を持っている子はあの子しか見てないし間違いないわ」


木の棒を持って川がある方へ向かっていく女の子を見つけ跡をついて行った。


「なっ!?あの子達女の子に対して許せないわ!」


女の子に対して川辺にいた男の子たちの罵倒に私は怒りを覚えたが女の子はその罵倒を気にもせずその場を離れようとした。


「っ!危ない!」


その場を離れる女の子に1人の男の子はすくい上げた泥を女の子に投げつけた。

けど女の子はそれを躱して何事も無かったかのようにその場を離れていった。


「チッ!あいつ避けやがって!」

「何してんだよぉちゃんと狙えよぉ」

「あいつ目元髪で隠してるけど絶対ブスだろ!あっははは!」


「あの子達...いえ、今はあの子よ。早く追いかけましょう。」


私は男の子達に殺意を持つが女の子の方が心配なので1度落ち着かせてから女の子の後を追いかけた。


それからまぁ少しありまして一緒に森に行くことになった。


「ん...。」

「えぇ、それで良いわよ?ただ少し狩りすぎたわね...持って帰る分だけ持ってあとは燃すわね」

「もやす?」

「えぇ、そうさないとアンデットになっちゃって厄介な事になるのよ」


片手に一角兎を持って私はナノちゃんと手をつなぎながらそう言う。

ナノちゃんは「もやす...」と言いながら死体を見てどうやって?と言うように首をこてんと傾げながら上目で見てきた。


私は大きい声で言いたいです。

ナノちゃんが可愛すぎて辛いわッ!!

上目遣いする時髪が退けて目が見えるのよ!その時の幼げな顔で眠たげな無表情の顔がもぅ!可愛すぎて本当に辛いわ!それに抱きついた時に笑ったあの顔!もう...可愛すぎてやばいわ...。


「子精霊達が群がる訳ね...」

「?」


子精霊は確か綺麗な魔力を持った人に引かれると聴いたけどそれ以外にもきっとあったのよ!それがこれなのね!こんな可愛かったらそりゃ子精霊達も好きになるわ!!


私は精霊魔法を使い死体を燃やしながらそう考えて頷いた。


「さて、それじゃあ帰るわよ!少し早いけど今のうちに帰る方が良いわ」

「ん」


そして私たちはナノちゃんの家に向かった。


もちろん手を繋いでね!!

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