第4話

あれから5年の月日が流れた。


「明日商人の人が来るから売るものを準備しといてくれ」

「分かったわ」

「わかった。」


私は母さんと冬の間に一緒に作ってきた干草の編み物や木で作った小物(スプーンやホークなど)を入れ物に入れていった。


「よいしょ。これで準備出来たわね!それじゃあの人は他の人達との話し合いがあるから遅いだろうし私たちは寝ましょう。」

「ん」


そうして母さんにお休みと言い7歳の時に貰った自室に入った。

さてベットに横になりニヨニヨと笑っている女の子、ナノの思考を覗いて見ましょう。


「ふふ...(ついにこの時が来たァ!商人だよ商人!初めて見るな!?どんな格好しているのだろうか!?やっぱりぽっちゃりしてるのか!?それとも片眼鏡の人か!?しかも話によると護衛として冒険者が着いてくるらしいし!冒険者だよ!?冒険者!小説などでしか知らないあれだ!!あぁ!早く明日にならないかなぁ!?)」


ゴロゴロとベットの上で左右に転がりながらそう考え少しづつ落ち着いてきたところで机からカードを取り出した。

ポゥとほんのり光ってからカードから文字が浮きでてきた。


名前:ナノ

性別:女性

年齢:10

種族:人族

職業:村人Lv59

スキル:[採取][無慈悲][植物促進][鑑定][無表情][地理把握][第六感]

魔法:[水][土][闇]

称号:[ミミズの天敵][スライムの天敵][自然魔力を操りし者]


「おぉ...。(第六感!知ってる!そこにいるな?って後ろを見ないでも出来たりするやつだろ!?かっけぇ!いや薄々だけどあ、この後こうなるかな?って思ったらそうなったりしたことあったんだよ!?ヤター!っておよ?称号が久しぶりに増えとる。[自然魔力を操りし者]?どゆこと?)」


ということで詳細確認


[自然魔力を操りし者]

自然に漂う魔力を操り扱う事をしてきたものに与えられる称号であり、より魔力の操作を巧みに扱うことができるようになる。


ついでに第六感も確認


[第六感]

気配や直感がよりはっきりと認識できるようになる。


「あ(そういえばあと少しで村人Lvが60

になるな!確か10で[植物促進]30で[鑑定]、50で[地理把握]だったから...次のスキルは70か...今は3日間ミミズや冬とか湿気など多い時に現れるスライムを倒してやっとLvが1上がる感じだから...はぁ、先が遠いなぁっとそろそろ寝ないと明日起きれなさそうだ)」


カードを机の引き出しに戻しベットに向かった。


「おやすみ...」


次の日...


「あなた...なんでそんなに子精霊に懐かれているのよ!?」

「ん?」


商人に作った物を売る父さんと母さんを広場の端で見ていると商人の護衛として居た冒険者の1人、名の知らぬ耳の長い女性に何故か驚かれた。


「おいエルファどうしたいきなりそんなに驚いて?」

「うん。エルファが驚くなんて珍しいね?何かあったの?」

「確かに、どうしたんだ?」


エルファという名の女性らしい、その人の声に同じく護衛をしていた人達が集まってきた。


「え、えぇごめんなさいね少し...いえすっごい驚いたことがあったからつい大きな声を出してしまったわ」

「...。」


私はなんか面倒なことになりそうだなぁと思いその場を急ぎ離れた。


「ちょっと!待ちなさい!」

「なに?」


家に入ろうとしたところで後ろから呼び止められてしまった。

どうやら先程のエルファという人が後ろを着いてきたらしい。


「少し聞きたいことがあるのだけれど良いかしら?」

「やだ」

「えぇ...。」


私は思いっきり嫌な顔をして家の中に入った。

取り残されたエルファは少しほうけたような顔をしてその場に立っていた。


「はぁ...(え、なになに怖ぁ!いきなり大きな声を出すし威圧してくるし睨んでくるし着いてくるしでもう怖いんよ!?ってかあの耳...もしかしてエルフだったりするのか?そういえば子精霊がどうとか言ってたよな?...もしかして居るのか?子精霊という名の者がここに...見てみたいっ!いやいや、どうやってみろと?あ、目に魔力を送れば良いのか?...うし、何事も挑戦だ!ってイダダダダ!?目に指が入った並にイテェ!)」


《スキル[魔力眼]を獲得しました。》


目の痛みでベッドの上をゴロゴロと動いたあとようやく痛みが収まってきたのと同時にそんなアナウンスが流れてきた。


「おぅ...(い、痛かった...それと、いや違うんだよ...欲しいのは精霊が見れるようになる精霊眼みたいなやつなんだよ!コレジャナイ感があるんだよ!嬉しいけどさ!?てなわけで早速使ってみよう!)」


結論、気持ち悪かった。


「うぇ...(え、何あれ?キモ!?うっそだろ?なんか米粒みたいなやつがいっぱいうようよしてたんだけど!?...いや、人誰しも慣れれば良いだけだ!...慣れるかね?慣れたいよな...うん。)」


時たまに口に入ってくるのでびっくりしたりも見ているとこれ、見れなかった方が幸せだったんじゃね?と思うようになった。ただそう思った時にはもうその気持ち悪いものに対して慣れてしまっていた。


「...あ(今更だけどもしかしてこれが自然の魔力だよな?いや絶対そうだろ?そうなんだろ?魔法使う時集まって来たもんな!ほらおいでー?いや多い多い!ほんとに来るのかよ!多いわ!)」


離れてーっと思いながら手を軽く払うように動かすとそれらは離れていった。


《称号[子精霊を従えし者]を獲得しました。》


「...。(お前らが子精霊だったのかよぉ!!?魔力じゃなかったのかよ!ってかじゃあ魔力はどこよ!?魔力眼なのに魔力見えんわ!)」


━━

少し分かりにくかったかも?なので分かりやすくしてみました!

大丈夫かな...。

ちなみに1ヶ月がだいたい30日で1年は360日と現実と変わらない想定ですね!

はい、ナノちゃんも一言!(内心も含めて!)

「...ん?(え?そうなの?今初めて知ったんだが!?いやこっちカレンダーとかそういうのないし寒くなってきたなぁとか暑くなってきたなぁとかでだいたい終わるんよ!誰がそれで分かれと!?分からねぇわ!逆に分かったらすげぇし怖ぇぞ!?ってか誰!?こちとら今寝てたんだけど!あ、ちょっと無言でフィードアウトしてかないでくれ!ワァ!クラクナッテクゥ!)」


5/11_誤字を直しました!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る