第3話

ある村に女の子が産まれました。

最初は普通の女の子でしたが誕生日を迎えるたびに大人しく笑わない子へと変化していき親も含め周りは心配しました。

みんなは女の子に何かあったのか?大丈夫なのか?と女の子を心配しますが、女の子は大丈夫とだけいつもいい次第にその女の子に対して村の人々はそれに慣れていきいつしか女の子に対して不思議な子と思うようになっていきました。

しかしその子の親だけは女の子を溺愛していました。

村の人々はなぜ?と思い聞きます。

親は2人とも口を揃えてこう言いました。

「時折見せてくれる笑顔や寝顔が可愛いすぎるから」

それを聞いた村の人々は少し変わり、1部の大人達はその子の笑顔が気になり見ようとし、子ども達は真顔で口数の少ない女の子を気味悪がるようになりました。


「...ん。」

「ナノちゃんどうしたの?あらもうこんな時間ね?あなたちょっと休憩しましょ!」

「ん?あぁそうだな!ナノ、家に入ろう」

「うん。」


ナノと呼ばれた女の子は野菜を収穫していたお母さんの服を引っ張り休憩しないかと主張する。

それに気が付いたお母さんはお父さんに休憩しようと言い3人して家へと入った。


さて、そんな女の子の思考を聞いてみましょう。


「...美味しい。(あぁ〜冷たいお水最高じゃぁ!ってか今何歳よ?それよりなんで女の子になってるん?これもひとつの暇つぶしだからなのか!?性別変えたんだったら言えや!最初知った時驚いたし混乱したわ!まぁ数日したら慣れたけどな!?HAHAHA!息子...無いなったわ。使うことなく消滅したな。それよりこういう異世界ならステータスはあるもんだろ!?なんで出ないんや!気になるんだが!?)」

「ナノは本当に大人しい子よね...?私たちが畑仕事してても良い子にしてるし」

「そうだな。ただもう少し普通の子になってくれたら村の人達とももっといい関係に慣れたんだろうが...」

「あら?この子が時々見せてくれる笑顔が好きだからそのままでも良い!って言ったのはどこの誰だったかしら?」

「そっちだってこういうのが一番心に来て好きなのよね!って言ってたじゃないか。」


水をちびちび飲むナノは笑いながら話す2人を眺めていた。


「ステータス...(声に出しても出ない考えても出ないこの世界にステータスはないのか!?これじゃあ楽しみも何も無いぞ!?ただ畑風景をぼぉっと眺めるだけなんだが?いや楽しくないわけじゃないんだがそろそろ飽きてきたんだよ!畑仕事したくても止められるしなんか村の人達には距離置かれてるから遊ぼうにも無理だし!何をしてればいいんだァァ!!)」

「そういえばそろそろだったわね?判定の儀式」

「そうだったな!この子はどんな職になるのか楽しみだ!」

「何言ってるのよ、私たち二人して村人なんだからそれに決まってるじゃない」

「確かにそれもそうだったな!」

「ほら、畑の続きしましょ」

「ナノ行くぞー?」

「ん。(判定の儀式とな!?それがステータスを見るための行いなのか!?早く見たいんだが!私のステータス!!ってあぁ持たないでぇ!?何気に高いから怖いんだわ!!?)」


こんなん感じで日常を暮らしてから3日後、ついにその時が来ました。


「これより判定の儀式をします。子どもたちは皆並んでください!」

「ほらナノ、行ってらっしゃい」

「ん。(ついにこの時が!私の力を提示せよステータス!わっくわくしますなぁ!早く来ないかなぁ?出来れば無双出来るやつ!俺TUEEEEとか良くないですか!?時止めたりとかさ!これよくないですか!?!?(社長風))」

「次、ナノさんは前に来てください」

「はい」


名を呼ばれたので台の上へと向かいまるで神官のような格好をした人の前に立った。


「はい、このカードに手を置いてください。...。はい終わりました。このカードは無くさないように気をつけてくださいね?」


カードに手を乗せてその上から神官さんの手が乗っかる。

すると少し光ってカードに何かが現れるとそれを神官が見たあと私に渡した。


名前:ナノ

性別:女性

年齢:5

種族:人族

職業:村人Lv0

スキル:[採取]


「...うん。(あれ?あはは気のせいかななんかザ・モブなステータスしてる気がする...。転生特典どこ?ここ?ないよ!?ないの!?そういえば神様ない的なこと言ってた気がするね!思い出した!!嘘だドンドコドーン!ってかせめて1はくれよ!?なんで村人Lv0なんだよ!村人ですらないってか!じゃあなんなんだ!ニートか!ニートなのか!確かにニートだったわ!こちとら5歳の女の子だぞ!?仕事なんてできねぇしさせてもらえねぇわ!)」


親のところに戻りカードを見せると2人は優しく頭を撫でてくれた。


「よし、無事に判定の儀式は終えたし帰るか!」

「そうね!ナノ、帰りましょ?」

「ん。(くそぅ...俺TUEEEEしたかった!まぁ仕方ない。村娘としてやっていきますかぁ!ってか転生したからと言っていきなり日常が変わるなんて物語じゃあるまいしそんなのめったにあるわけないか!...フラグ立てだし来るよな!?村壊滅エンドとか死にエンド以外でカモン!その悲劇なエンドなら帰ってもろて!)」


それから数日が過ぎていき、今私は親の隣で小さいスコップ片手にお手伝いをしていた。


「それにしてもナノは凄いな...俺魔法見たの初めてだ!」

「そうね...もしかしてうちの子天才かもしれないわ!すごいわねぇ」

「ん。」


ザクッザクッとスコップで土を刺す。

もちろん意味無くでは無いその行動にはある目的があるのです。


《村人Lv5に上がりました。》

《スキル[無慈悲]を獲得しました。》

《スキル[植物促進]を獲得しました。》

《ミミズを計10,000匹倒したことにより称号[ミミズキラー]を獲得しました。》


「あ...。(あ、そろそろ陽も傾いてきた!いやぁ倒すのに夢中で時間を忘れちゃいますな!それになにやら気になる称号が!これは帰ってから確認するか!っとその前に母さん達に帰るか聞かないとな!)」

「ん?ナノどうしたの?あぁそろそろ時間なのね?あなた?そろそろ暗くなってくるし帰りましょ?」

「ん?おぉそうだな!今日はここまでにするか」


家に帰るとみんなでご飯を食べたりして就寝の時間になり、3人して川の字になった。


「おやすみ」


それから数分、ふたりが寝たことを確認したあとカードを取り出して確認した。


名前:ナノ

性別:女性

年齢:5

種族:人族

職業:村人Lv5

スキル:[採取][無慈悲][植物促進]

魔法:[水][土][闇]

称号:[ミミズキラー]


カードを横にスライドさせてスキルなどの詳細を確認する。


[採取]

取れた物の状態を長く維持させることが出来る。


[無慈悲]

精神的苦痛に対する耐性を上げる。

自身より弱い敵に対して攻撃力が上がる。


[植物促進]

植物の成長を促し、成長を早める。


[水]

水を生み出し操ることが可能になる。


[土]

土を生み出し操ることが可能になる。


[闇]

闇を操ることが出来る。


[ミミズキラー]

ミミズに対して攻撃力が上がる。


「...むぅ?(無慈悲...いやまぁ確かに?慈悲なくやってきましたけども!経験値求めてやってきましたけども!!いやまぁ効果はありがたいけど...。そして植物促進、これは村人Lv5になったから貰えたやつっぽいな!魔法は前世のアニメや小説などの記憶のおかげだな!これは素直に嬉しかった...!まぁ分かりやすく言うと生活魔法並の力しかないんだけどなそして称号のミミズキラーよ!これはあんにもっとやってしまえと言っているんだな!そうなんだろ!?やってやるぜぇ!!ってあ、やばい睡魔がぁ限...界...。)」


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