第175話 ありがとうを君に【後編】

 自分は毒舌と言われたら、まあ否定はしないしその通りだと思う。でも温厚なんですよ。文字打ちが速く自分の思っていることをストレートに述べる上に絵文字とか使わないため、時々怒っていると思われていたとは思う。

 けれども実際に自分に関係することで怒ったのは数度。

 三回くらいかな?

 基本的に怒りよりも笑いが先に来るんだ。


「マジ、何言ってんの? あんたwww」

 こんな感じ。

 呆れることもあるけれど。

 例えば何か誹謗中傷をされたとしても、それに対して何か思うよりも「何故そんなことを言われたのか?」深く考えるわけだよ。

 俺が知りたいのは理由なのね。

 相手が俺を嫌いだから言ってるのであれば「仕方ないな」と思う。

 俺は仮に作品を貶されても何も思わないと思う。


「お前は下手だな」

 うん、そうだね。


 別に怒ることではない。上手いと思ったこと、一度もないし。

 エッセイを貶されたとしても……


「お前のエッセイはタブーだらけだ」

 そうらしいね。


 他に言うことないでしょ?

 誤字脱字が多いと言われたらその通りだし。

「全然読まれてないな」

 そう言われたら「まあ、数字視りゃわかるよ」と返すだろうし。

 悪口って基本事実を言っているだけだと思うんだよね、悪意を持って。


 俺が「自分に対しての悪口なら好きに言えばいい」と言うのは、傷つかないからとかではなく、悪口の構成は基本ただの事実を「悪意のある言葉」に変えているだけだと思うから。

 だから何? としか思わないの。


 悪口を言う人は俺を傷つけたいと願っているわけでしょ?

 でもそれを言ったところで何か利点はあるの?

 あなたの一言の悪口は俺が2万字にして返すよ。その覚悟があるなら、いくらでも悪口を言えばいい。げんなりしてお帰りくださいとしか言いようがない。


 さて昨日は、ある人と久々に長話をした。話につき合ってくれてホントにありがとう。彼女はね、俺にとってとても大切な人の一人です。

 出会ったばかりの頃は結構刺々しくて、みんなと穏やかな関係を築きたいなと思っていた俺にとって苦手な部分を持つ人だった。でも、何故そうなのか次第に理解した。


 自分は毒舌と言われはするけれど、その反面意識せず他人を褒める癖がある。まあ癖としか言いようがないね。ここをよく読みに来てくれている人たちは、いい加減気づいていると思うけれど、俺は社交的ではありません。

 オープンマインドとは言われる。

 ストレートに思っていることを言ったり、出来ないことに関しては理由を述べて協力を仰ぐから。

 人って言うのはね、ちゃんと理由を説明したら助けてくれる人はたくさんいるんだよ。それは国境を超える。俺は自分のダメなところや苦手なことを口にすることを躊躇わないに過ぎない。そういう人は信頼関係を築きやすいらしい。

 でも初めからこうだったわけではないと思う。


 きっかけはなんだったろうか?


 閑話休題。

 創作界で他人を褒めまくる人なんてのは、信頼されないのよ。特に誰かに傷つけられて人間不信になっている相手にはね。しかも、なんの見返りも求めずにレビューを書いていた俺のことは恐らく……周りからちやほやされたい人という印象だったかもしれない。

 レビューは上手くないよ。上手いと言ってくれる人もいるけれど、俺は難しい言葉を知っているわけでも知識が豊富なわけでもないし、たくさんの言葉を知っているわけでもない。

 いろんな人と良好な関係を築く中、彼女との関係は変わらなかった。

 俺にとってそれは悩みの種でもあったんだよね。

 どうしたら自分は彼女に認めて貰えるのかな、と。


 だって、俺はただのチャラい人としか思われていなかったと思うしwww

 実力を示すべきだと思った。実力があったかどうかは分からないけれど、あの頃の自分にとっての精一杯だった。何をしたのかは、ここでは言わないけどね。


 きっと本人も俺が行動した理由を知らないに違いない。

 それを大切にしてくれていることを昨日聞いた。

 その言葉を聞きながら当時のことを思い出す。


 彼女は確かに変わったなと思う。以前は心配なことが多かった。いろんな話を聞いていたこともあるけれど、危なっかしくて何度も止めていたと思う。

 俺が止めるのは傷ついて欲しくないからだよ。

 それでもしょっちゅうだったから言うのを辞めた時期がある。


 でも最近は違うね。もう、俺の保護はいらないんだなと感じてる。だからと言って傷つく出来事がないわけじゃないけれど。


 昨日は話を聞いてくれて、励ましてくれてありがとう。

 いつまでも君の信頼に足る人間でいられたらいいなと思う。


 いつもありがとう。大好きだよ。

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