第174話 ありがとうを君に【前編】

 かつてTwitter(創作界)である一つの夢を抱いて挫折した人がいる。

 その人は混とんとした創作界を変えたいと願った。

 互いを尊重し、高め合える優しい世界にしたいと志した。

 そしてレビューや感想が欲しいと感じるすべての人が公平にチャンスを得られたらいいと感じた。

 誹謗中傷に苦しんでいる相互を助けたいと思った。自信を失って壊れてしまいそうな人を励まそうとした。


 でもね、何をどんなに頑張ったって、何も変わることは無い。守りたいと願った人達はTwitterなり、創作界を去った。

 それでも毎日、自分の無力さと向き合いながら、他人を故意に傷つけたらダメだと訴え続けた。


 くだらない自己中な創作論で他人を傷つける愚か者。

 彼らは変わらない。

 字下げなんてものはそもそも創作論ですらない。

 まずは楽しく書くことが最優先。書くことが好きだという気持ちを失ったら、おわりだから。評価しているのは素人なんだよ。そこに公平さなんて存在しない。

 主観で語る彼らの言葉に耳を傾けないで。

 お願いだから。


 何も変わらないどころか悪化していく世界に、いつしか打ちのめされて全てが嫌になった。みんな自分のことしか考えてない。その画面の向こうには生身の人間がいる。どんなに自分の精神が強固でも、相手は違うかもしれない。

 どうしてそれが想像できないの?


 Twitterの話だけれど、創作界には精神的ヒエラルキーが存在していて、書籍化作家を崇拝するような人たちが一定数いる。

 コミカライズすげえなんて思う奴がいるけれど、売れないからコミカライズされるんだよ。わかってないの?

 コミカライズされて手に取られたら、そこから原作である小説を手に取る場合もある。そしてコミカライズされてpixivなどで連載が始まったら、中には続きが気になる人もいて書籍ではなく、それこそ小説投稿サイトで続きを読む人も現れる。

 全てはチャンスでしかないんだよ。


 でも大部分の人は勘違いをしていて賞を取れない自分には才能がないとか、あまり読まれない自分は底辺なんだと勝手にヒエラルキーに所属する。

 確かにプロを目指す人たちにとっては、プロ作家になった人は憧れかも知れない。でもね、その人たちは雇用主じゃないし審査員でもない。

 媚びれば媚びるほど、彼らの精神は歪んでいく。

 俺たちはただの人間。異世界転生できるわけでも、背中に羽が生えているわけでもない。いつでも態度の変わらない、自分を対等に扱ってくれる人が本当に優れた人なんだよ。立場程度で偉ぶるやつは、大したことない。

 それに気づこうよ。


 どんなに訴えても、創作界は変わらない。

 変わるべきはヒエラルキーの上部ではない。むしろ自分を底辺だと思い込んでいる人たち。

 結構長い間、Twitterをやっていたと思う。

 たしか2019年の12月くらいからで、演説を始めたのはいつだったか。


 どんなに崇高な思想を持って向きあったところで、なにも変えることは出来なかった。消したレビューが50以上あるので、実数は350以上あると思うんだけど。

 それだけの数の人と実際に関わって、今でもちゃんと俺のことを人間あつかいしてくれている人はどれくらいいるのか。

 レビューや感想を書く道具と思っている人がほとんどかも知れないし、そうでないかもしれないし。


 最終的に自分は自分の無力さと、突きつけられた現実に絶望してTwitterの創作垢を消した。誰が悪いわけでもない。俺には何の力もなかったというだけの話。

 昨日ね、ある相互さんと話をしていてあの当時のことを思い出して、泣けたよ。

 悔しさなのか、それとも自分の愚かさにかわからないけれど。


 みんながどう思っていたのかはわからないけど、俺は相互のみんなが心から大切だった。それを手放して、人と関わることを止めた。

 だからね、影響力があるなんて言葉を向けられると笑ってしまうんだよ。

 そんなものがないことくらい、俺が一番よくわかってる。


 打ちのめされてバカバカしくなって、俺がTwitter辞めたこと、知らないの?

 いたっていなくたって変わらない。

 そう思ったからやめたんだよ。


 注意喚起文の文面は……まあ、俺に打撃を与えるには良い言葉のチョイスだったと思うよ。でも、残念なことに、時期が悪かったと思う。

 どこかにも書いたけれど、俺は今あるゲームをしていて責任のある立場を任されている。自分はリーダー向きではないが、サポートを得意とする。だから、人から必要とされるポジションにいると能力を発揮できるという特性を持っている。

 責任感が強いというのは何処に行っても言われるし、海外の人にも言われる言葉だね。

 人の役に立てることが自分を支えるものであるから、多少痛い言葉を向けられても耐えられるんだよ。最近少し他人と交流しようと思えるのは、その海外の人たちのお陰だと思う。


 創作界とかだと、読まれたいとか感想が欲しい、褒められたいという方向に承認欲求が向くけれど。俺はそういうのはどうでも良くて、人から頼られることで承認欲求が満たされるのだと思う。


 相変わらず、まとまりがないな。後編へ続きます。

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