第95話 あの主人公に惹かれるのは
崇高な理念は凡人の欲望によって破壊される。
こういうことなのかなと。
何かに強く惹かれるのは共感する部分があるからだ、と言うのはあるとは思うがそれを言葉できちんと表現するのは難しいなと思った。
あの中で、自分たちは依存をし疑問を抱かず勝手な解釈をして、任務を遂行し続けると言うような内容が書かれている部分がある。
例えば天使と悪魔が均衡を保つとしたなら。自分の意思で悪を貫く悪魔がいたなら、己の感情を殺してでも善を遂行しなければならないということなのだと思う。
さて、おはよう。
もうすぐ8時。
好きな作品には、二種ある。
誰でもそうかも知れないが、キャラが好きな場合と物語自体が好きな場合。
今回読み終えてしまった作品はキャラ自体が好きな作品だったので、ロスが酷いです。
ホント好きだったの。
好きという気持ちには二種の方向性がある。それはリスペクトか愛かと言うことなんだけど……まあ推しなのか、ガチ恋なのかってことだね。
推しはリスペクト
ガチ恋は愛
こんな風に解釈していたのに、推しだけど愛だなと思う。恋愛関係になりたい好きではないけれど、愛以外の何と表現すればいいのかわからない好きである。
俺は宗教を信仰してないが、彼のことは崇拝したい感じの好き。
つまり、なにか途轍もないカリスマ性があるんだよね。俺にとって。
何がそんなに良かったのかと言えば、ギャップと苦悩かな。
俺は苦悩する人が好きです。
彼は天使だけど。
あなたは天使という生き物にどんなイメージを持ちますか?
特に成人くらいのサイズの奴らに。
俺は、一言で表すなら真っ白な陶器なんだよね。
ツルッとして冷たい。あれ。
何故かというと、天使はあくまても神の意思に従うものであり、自我を持たず任務を遂行する心のないアンドロイドみたいに感じるから。
融通はきかなそうだし、温情とかなさそうだし、忖度もなく、常に冷静。
そんな風に見える。
俺は天使が良いものとは全く思えない。
悪魔はそれとは逆。
自分勝手で自己中で迷惑極まりないが、だからこそ心があるように見える。
ちょっと前でも話したが、この物語の世界には全ての生き物に喜怒哀楽という感情がある。
つまり、俺の常識を覆す天使降臨。
彼にとって最愛の天使は天界にて裏切りを行い、その世界でトップの力を持っていた彼は自らの手で彼女を堕天させなければならなかった。
ここで俺の常識の中の天使だったら感情を持たず、任務を遂行するので壊れたりはしない。
人は感情があるから、心が壊れる。
天使も悪魔も死ぬことはないので、堕天させたとしても論理上は消えない。
だが、どんなに愛していようとも天使と悪魔では一緒にいることは出来ない。
どうしてこうなってしまったのか?
彼女が自らそんな道を選ぶと思えなかった主人公は、ほんの少しでも彼女の噂があれば任務を放棄し人間界に降りていく。そんな風になってしまった。
正気の沙汰じゃない!
凄く人間的なのよ。
その世界の中で誰よりも。
彼は天使であるが故にいろんなものに縛られて、苦悩し、疑念を持つようになる。
愛する者を失った、その手で行ってしまったことは彼に深い心の傷を負わせる。
これだけでも結構辛いのに、最終的には消えたいと願うまで絶望させられるのね。
人は感情があるから苦しむ。
どんなに自らがボロボロになっても、望まれたらなんとかしようとする慈愛に満ちた彼の姿は、儚さも感じるけれど凛として素敵だなとも思うんだよね。
自分は理性は美徳であると考えていて、感情的にならないことは人間として素晴らしいことであると思っている。
特に怒りや性的な欲求を理性で抑えこむ人はカッコいいと感じるのよ。
クールと言うかね。
そういう人が自我を失い、クレイジーな行動にでる。それが最愛の人に関する時だけだったなら?
沼るでしょ。
魅力しか感じないのよ。
クールで仕事出来て、カッコいい人が、行方不明の彼女の目撃情報を聞いただけで職務放棄してしまう。
『ちょ……上司いいいい!』
部下、困惑。
いいね、たまらない。
(人はそれを、どうかしていると言う)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。