4夜目-3
そうやってホランが仕切っていたが、ふと嫌なことを考えてしまった。
アカネ 「……でも、このままじゃ、まずくない?」
ホラン 「えっ?」
自分はなんとなくだけど、ホランに何か起こってしまうんじゃないかと不安になった。なぜなら……
シンイチ 「あぁ、そういうことか。しかし、こんな事、想像したくない……」
ケイ 「し、シンイチ。何か分かったのかよ?」
ナズナ 「なんか、怖いことを想像しちゃうんだけど、まさか、ね?」
自分たちの部屋だけ『沈黙』のはるか上のような気まずい空間へ変わってしまった。
テオ 「わかっているんだったらさ、分かっている人同士で、一気に言ってみたら?そろっていなかったり、おかしいことがあったら笑うだけだし!」
アカネ 「テオ。この場の空気、考えてよ。そんな呑気にしてる場合じゃないかもよ。まぁ、とりあえず自分と、シンイチと、アカネちゃんの3人で出した答えを言い合ってみよう。せーの、」
「「「ホランが違反未遂をしたこと」」」
ぴったりシンクロした。やっぱり、3人で考えたことは同じだった。その一言が放たれた瞬間、多分北極や南極より、世界一冷たい場となってしまった。
テオ 「そ、そういうことだったのか。……なんか、ごめん。」
ケイ 「テオだけじゃない、俺もわかっていなかったんだし。」
二人にはなんも罪もない。ただ、問題なのが……
ホラン 「……」
ホランは黙ったまま、絶望してしまったようにうなだれてしまった。そして隣に座っていた自分の耳には、自分のせい、自分のせいと何回も自責の念を唱えていた。その言葉は自分の反対側にいるシンイチにも聞こえていたようだ。
アカネ 「でも、本来は自分だって悪かった。だって、毎回確認とかしていたら、こんな事にはならなかったし。最初に乗っちゃったのは自分だから……」
シンイチ 「そういわれちゃったら、みんな共犯だよ。やっぱりアカネの言う通り、確認してから話すようにすればよかった。」
テオ 「でも、後悔はいつだってあると思う。なんだって、ベストを尽くしてもそれらはやって来るんだし。」
ナズナ 「そうだよね……だから、ホラン。自分のせいって責めなくてもいいよ。」
ケイ 「もし、連帯責任ってことになったら俺たちも同じ監獄に入ってやる。」
ホラン 「でも、もし個人の責任だったら?そしたら私、うちは独りぼっちになっちゃう……」
テオ 「……だったら破ってやろうよ。みんなでそのルールを。」
ナズナ 「それは無茶だよ!すぐに治安を守るために、迅速に駆けつけるやつらを知らないの?!」
「心のコンパ」は夢の中で・・・ もみじ @dendenmomiji
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。「心のコンパ」は夢の中で・・・の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます