アカネの3夜目 本当に平等?

アカネ  「この世の中、本当に平等なのかな・・・?」

自分は英語の授業で「世界の子供たち」というユニットを勉強している。教科書のそのユニットで「世界には当たり前に学校に通えない子、ご飯を十分に食べられない子、性別で差別を受けられる子など様々な子供たちがいる」ということが書いてあった。

アカネ  「やっぱり世界にはご飯を食べられずに死んでいく子供たち、教育の機会を奪われてしまう子供たち、女だから男だからって差別される子供たち、色々いるんだな・・・でも、子供たちには未来があるのになんで大人はその未来を奪ってしまうのだろう・・・?」

いろんな人にこのことについて話してみよう、そう思った。そして、またあの場所へ向かってみよう。

                 ☾

自分はまた、心のコンパへと向かった。

スタッフ 「アカネさん、今回はどのようになさいますか?」

アカネ  「じゃぁ、『お気に入りメンバー』からテオと他メンバーは『ランダム』でお願いします。」

スタッフ 「承知いたしました。では2号室へどうぞ。」

自分は2号室のドアを開けた。

     「ようこそ、いらっしゃい。」

そこにはおとなしそうな高校生、シュッとしていてカッコいい大学生、そしてテオがいた。」さっき、歓迎してくれた大学生の人は、ユウジさんという。

リコ   「はじめまして、私はリコ。よろしく。」

アカネ  「よろしくお願いします。自分はアカネっていいます。」

テオ   「僕はテオといいます。よろしくお願いします。」

アカネ  「早速ですが、今回の話題、言っていいでしょうか?」

リコ   「いいよ~」

ユウジ  「どうぞ。」

テオ   「いいよ。今日はどんな話?」

アカネ  「うん、実は自分の学校の英語で『世界の子供たち』のことについて挙げているんだ。そして、このユニットで『世界には当たり前に学校に通えない子、ご飯を十分に食べられない子、性別で差別を受けられる子など様々な子供たちがいる』っていう文が教科書に出てきたんだ。そこで、みんなに聞きたいんだけど、本当にこの世の中、平等だと思う?」

リコ   「案外、重い話題持ってくるねぇ・・・でも、悪くはないよ~」

ユウジ  「そうだね・・・俺はこのことに関してやっぱり不平等な気がする。だって、みんなにチャンスはあるとか、希望があるって言ってるけど、チャンスを持てたり、希望を持てる人っていうのはほんの一握り。オーディションのようなものだと思うんだ。」

テオ   「確かにそうかもしれないね。歴史上で『聖職者・貴族・平民』で分けられていて、平民にかなりの負担を背負わせていたみたいだよ。」

リコ   「あとテオ君の言葉で思い出したけど『同和問題』も知らない人が増えているの。どういう問題か知ってる?」

アカネ  「いいえ、知らないですね・・・」

ユウジ  「『同和問題』っていうのは、江戸時代ぐらいに差別されてきた人々が暮らしている集落、同和地区があったんだ。そしてそこにいた人と、普通の場所にいた人と結婚しちゃいけないとか、両親の出身とか聞いてきたりしてもし、両親の片方でも同和地区の血が流れていたら、面接で不備なところがなくても不採用、みたいな問題のこと。」

テオ   「日本にもそういう問題があるんですね・・・」

ユウジ  「それだけじゃない。性別による差別だって、日本の大きな課題の中に入っているんだ。」

テオ   「えっ、そうなの?」

リコ   「そうなんだよね。この日本って国は昔の習わしを尊重するのはいいことだとは思うけど、悪い面も継承しなくてもいいんじゃないかって思うんだよ。」

アカネ  「悪い面って?」

リコ   「性差別問題で言うところの『良妻賢母』、つまり良き妻、賢い母に女性はなるべきっていう考え方だったり。男は社会に出て仕事っていうイメージだったり。色々大変なんだよ。そのこともあって『セクハラ』とか『モラハラ』なんてものが最近、はっきりするようになってきたんだ」

アカネ  「やっぱり、平等って難しいんだね・・・」

リコ   「でも、私たちにもできることだってあるんじゃないかな?」

テオ   「そうですか?」

ユウジ  「例えば、誰かがいじめられているときに、いじめられっ子をかばうとか。色々な偏見を知る。とか。」

アカネ  「そうか・・・自分もいつか、この世界を平等にできるような、そんな人間になりたいな・・・」

リコ   「うん。そうだね。一緒に頑張っていこう!」

ユウジ  「離れていたとしても、アカネちゃんの夢、応援してるよ。」

テオ   「僕も!今からこの地球の未来を担っているんだしね!」

アカネ  「ありがとう。うん、みんな一緒に頑張っていこうね!」

そう堂々と宣言をしたときに鐘が鳴った。もう現実に帰らないと。

自分はエントランスに戻ってみんなに

アカネ  「今回はありがとうね!」

そう元気いっぱいに言って帰っていったのでした。

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