3夜目

ホランの3夜目 悪夢退治

「あの悪夢の原因、何だったんだろ・・・?」

自分は心のコンパに行くまで悪夢に悩んでた。オニロ先生に悪夢の内容を思い出してほしいって言ってきたから今、昼休み中に思い出してる。

自分はいっつも夢の中であのコセキンに怒られてる。

コセキン 「おいホラン!このようなたまぐらい拾えるだろが!この使えない奴め!」

そして、コセキンにおべっか使うように

ホラン  「ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・」

と何度も何度も謝った。でも、

コセキン 「謝って済むものかぁ~!?」

そうコセキンがキレて一寸法師の小づちを振られたように段々巨人になっていく。そして、自分は

ホラン  「助けて~!!」

と叫びながら巨人化したコセキンに追っかけられる。そして、自分が住んでいる町が特撮のあの恐竜のごとく壊されていく。まるで戦時中の写真のように町が一掃されていく・・・

そんな夢だった。こんな夢早く忘れたい。そして、こんな繰り返される地獄にエンドを迎えたい。

                  ☾

うちは早く治療してほしいとわくわくしながら布団に潜った。そして、またあの心のコンパに向かった。そして、真っ先にカウンターに行って

ホラン  「あの~、ちょっといいですか~?」

スタッフ 「はい、あっ、ホランさん、今回はオニロ先生の診察となりますので、オニロ先生の名前が入っているエクストラルームへお願いします。」

ホラン  「えぇっと、って・・・?」

スタッフ 「実はここ、心療科と兼ね備えているんですよね。それで普通にコンパしている部屋と診察室との区別をつけるためと呼ばせていただいております。」

そうか、なんで専門家がいるのかが分かった。でもそれなのになんで今まで気が付かなかったんだろう・・・まぁいいや、今は治療が最優先だもん。

ホラン  「わかりました。この奥ですよね?」

スタッフ 「そうですよ。では、行ってらっしゃいませ」

うちはいつもの部屋とは違い、突き当りの部屋に向かった。そして、コンコンとノックして

ホラン  「失礼します。」

オニロ先生「待ってましたよ、ホランさん。では昨日の宿題、ちゃんとやってくれましたか?」

ホラン  「はい。自分が見る悪夢っていうのは・・・」

そうやってオニロ先生に自分の悪夢の内容を話していった。

オニロ先生「なるほどね・・・つまりそのバレー部のコーチが夢の中に出てきて君を怒鳴り散らかして巨大化して町を破壊するほど追っかけまわされたって感じかな?」

ホラン  「はい・・・そういえば、オニロ先生っていうのは本名なんですか?」

オニロ先生「いいや、本名とは別だよ。オニロっていうのはって意味なんだ。実は、この耳もこの尻尾も作りものだよ。バクって『夢を食べる』動物として知られているでしょ。ちょっと雰囲気を高めるためにね。」

ホラン  「ふ~ん・・・」

オニロ先生「さて、話を戻そうか。実は追い掛け回される夢って結構、相談の多い悪夢なんだ。だから、ホランさんだけじゃないから安心して。」

ホラン  「はい。そうなんですね・・・」

オニロ先生「ホランさん、夢占いって興味ある?」

ホラン  「夢って占えるんですか?」

オニロ先生「うん、そうだよ。例えば、今回のホランさんの悪夢に当てはめると、『かなりストレスが溜まってる』っていう無意識からの警告なんだ。ホランさん、何か心当たりってありますか?」

ホラン  「そういえば、いつもうちにばかり責められてちょっと嫌になってきちゃったかもしれないですね・・・」

オニロ先生「でしょ。だから夢占いって案外当たるもんだよ。」

ホラン  「そうなんですね・・・そういえば悪夢を見なくならない方法とかありますか?また見てしまったときとかに使おうかなって・・・」

オニロ先生「そうだな・・・簡単な方法としては結末をイメージで変えてあげることだね。じゃぁ、早速やってみようか。」

ホラン  「お願いします。」

オニロ先生「じゃぁ、その悪夢に出てくる巨人の様子をイメージしてみて。」

ホラン  「・・・はい、できました。」

オニロ先生「じゃぁ、その巨人とどうやったらやりあえそう?」

ホラン  「じゃぁ、自分も巨大化して拳で殴るとか・・・」

オニロ先生「おぉ~!斬新だねぇ~こんな感じで悪夢に出てくる標的のようなものとどうやったら戦えるかとか、どうやったら自分を守れるのかと言うのを想像するとまた変わってくるんだよ。これを『イメージリハーサルセラピー』って言うんだ。そうやって悪夢の結末を変えることで、ストレスとその悪夢の関係が頭で別々のカテゴリーに分かれるっていう仕組みなんだ。」

ホラン  「そうなんですか・・・今度からやってみよう!」

オニロ先生「ぜひぜひ、試してみてね!」

ホラン  「今日はありがとうございました。なんか、すっきりした感じがします。」

オニロ先生「それはよかった。悪夢って無意識からの警告だったり、暗示を表しているから、これって悪い夢かなって思ったら、ネットとかで調べてみるといいよ!」

ホラン  「そうなんですね~今度調べてみよう!」

そうすると鐘の音が会場中に響いた。そろそろお帰りの時刻か・・・

オニロ先生「そろそろ帰る時間だね。また怖い夢とか見たら呼んでね。」

ホラン  「ありがとうございました!」

そう返して、うちは現実に帰ることにした。

            ☼

・・・よく寝たな・・・やっぱりあの悪夢の内容は消えないけどちょっと平気になってきたかな・・・?

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