テオの2夜目 言語と文化のバリア
「なんで僕のことをバカにしてくるんだろう・・・」僕はこの見た目でもあることで悩んでいるのだ。それは、「
~
クラスメートA 「テオ、お前空気読めなさ過ぎ。ちゃんと読みなって!」
テオ 「Cosa?(何?)」
クラスメートB 「そうだった~テオ、日本語ができないの忘れてた~w」
そうやって、僕のことを笑ってるけどあまりいい意味で笑ってないような気がする。そもそも、僕は
☾
僕は今日もベッドに寄りかかってまぶたを閉じた。そして夢に入りそうなときポケットの中に鈴が入ってたから1回鳴らした。すると、あの時のような大きなドアが現れた。僕はそのドアを押して「心のコンパ」へ向かった。すると、スタッフから「ランダム」「着替え室」「お気に入り」の機能を説明してもらっているが、別に着替えるのめんどくさそうだから、そのままにした。
スタッフ 「それでは、テオさん、『ランダム』か『前のグループ』、どちらがよろしいですか?」
テオ 「そうですね・・・いろいろな人と関わりたいから、『ランダム』でお願いします。」
スタッフ 「承知いたしました。では3号室へどうぞ。」
僕は言われた通り、3号室のドアを開けた。
「ようこそ~!」
僕はやけに僕と同じくらいの年で、元気のいい人たちで驚いた。これなら早くなじめそうだ。
テオ 「チャオー、僕はテオと言います。最近日本に来たばかりです。よろしくお願いします。」
カエデ 「初めまして、テオ君。うちはカエデって言うの。よろしくね。」
ソウマ 「テオ君、こんにちは。俺はソウマ。こいつとは保育所からの幼なじみだよ。よろしく~」
エル 「初めまして。私、エル。よろしくね。」
さっき、「ようこそ~!」って歓迎してくれたのはカエデさんだったみたいだ。この雰囲気なら話せそう。そう思った僕は口を開いた。
テオ 「あの、僕の悩み、聞いてくれますか?」
カエデ 「うん、もちろんだよ!」
エル 「人って悩んでなんぼだしね!」
ソウマ 「さ、君の悩み、話して。」
テオ 「はい。僕の悩み。それは「言葉と文化」がイタリアにいたころと違って困っていることです。言語ならともかく、なんで文化なのかって言うと、例えば、『クウキヲヨム』っていうスキルは日本人だけの文化なんです。イタリアなんか会ったことない誰かに気を
カエデ 「あぁ・・・『空気を読む』か・・・実はうち、空気を読むの苦手なんだよね・・・」
テオ 「えっ?日本人なのにそのスキルが苦手ってどういうことなんですか?」
ソウマ 「日本人でも、実は『空気を読む』っていうのに疲れた人は
少なくないことなんだ。」
エル 「そう。だから、無理して空気を読まなくてもいいんだよ。」
カエデ 「でも、だからっていって、全然空気読まなくなると、相手に最悪な印象を与えてしまうんだ。」
ソウマ 「だから、時と場合によって使い分ける必要があるんだ。」
テオ 「そうなんですね・・・『クウキヲヨム』必要がある例として、例えばどんなことでしょうか・・・?」
カエデ 「そうだね・・・例えば、ゲーセンに行った時を思い浮かべてみて。自分が遊び終えたゲームで遊びたがってる人が自分の後ろにいるでしょ。その時どうしたら良いと思う?」
テオ 「そうだな・・・遊びたがっているから、今度はその人に譲る・・・かな?」
ソウマ 「そう、その通り!もし、その状況で遊びまくってたら、後ろにいる人が遊べなくなるでしょ。」
テオ 「確かにそうだ!僕、空気読めた!やった~!」
エル 「そう、ちょっとした気遣いが『空気を読む』って言うことなんだよ。」
カエデ 「だから空気を読むっていうのは、これからの友達作りにとっても欠かせないものなんだ。」
ソウマ 「何よりも大事なのは自分も、相手も思いやること。」
エル 「でも、もし変な誘いに誘われたときは相手のことを考えず、自分のことを大切にしてあげて。そうすることで強い心っていうのが育っていくから。」
カエデ 「そうそう。自分を大切にしなきゃ自分自身をボロボロにしていくことと変わりないし。空気読みすぎてボロボロになったら元も子もないからね。」
テオ 「じゃぁ、『クウキヲヨミスギテツカレル』っていうのって・・・」
ソウマ 「そう。自分自身を大切にすることをおろそかにしている証なんだ。」
テオ 「そうか・・・じゃぁ、無理しない範囲で頑張ろう!」
僕がそう決意したとき、鐘がボーンと鳴った。そろそろ起きなくては・・・
「グラッチェ(ありがとう)!」
僕はそう言い残して大きなドアを開けていった。
☼
ふわぁ・・・よく寝た。やっぱり本音を言うのってすっきりするなぁ・・・よし『クウキヲヨム』練習、頑張るぞ~!
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