匂い
飴をいただいた次の日、なんか…隣の席からとても甘ーいにおいがしてくるんです。
まさか、授業中に飴を望月さんは舐めていらっしゃるのでしょうか?
…
(あぁ、いい匂いだわぁ。)
と、文房具をくんすかくんすかと嗅いでいた。
なんだ…。匂い付き文房具か。
と、前を向いて勉強に集中って思ったらさ…
(あー困ったなー。いい匂いすぎて食べたくなってきたわー。匂いのみでおあずけって…ひどいよぅ‼︎)
とぼやいていた。
そして休み時間、幼馴染の見沢さんに泣きついていた。
しんどい…お菓子の匂いだけって、やばいよっ‼︎てさ。
…そんな深刻?
…まぁ、そりゃ悩みの大きさは人それぞれってやつだもんね。
休み時間が終わると同時に文房具たちは、筆入れにみんな収納されていた。
そして筆箱にパンドラの箱‼︎とふせんを貼っていた。
…おふだじゃないんだから、、、と思ってみていたら、
(パンドラの箱ってお菓子とか出てこないかなぁ)
とあたかも宝箱みたいなことをぼやく望月さん。
ほんと一日中食べ物のことを考えているんじゃなかろうか。
…ってかさ、そんなオレは望月さんに釘付けな気がする。
好き…とかじゃないけど…気になるっていうか…いつもどこでも望月さんを考えちゃうだけっていうか…。
気になる‼︎
だって、かわいいじゃん‼︎
もう、何しててもかわいいんだよ。
とにかくずっと目で追ってる自分がいるんだよね…。
これは…なんだろう。
なんの現象なのだろうか?
そう考えながらなぜかじっと望月さんのくちびるをガン見していた。
はっ!
変態って思われちゃうぞ…。
やばいやばいと、慌てて視線を逸らすと…
…完全に気づかれてたー。
(えっ、今…わたしのオクチさんをサトウくんがみていらっしゃった?えっ…な…なぜ⁇はっ、まさか朝食べたみかんの白いびろーんってやつが口から出てるとかっ?)
と口元をペタペタとしていた。
…あー、すいません。ただかわいい口元って思ってみてただけなんです。なんて言えるわけねー…。
ほんとすみません。と心で謝るオレなのであります。
望月さんは、とにかくかわいいんだけど放課後、トオルがオレの肩をトンッとしたかと思うと、
「告っちゃえば?」
と、またオレを茶化してきた。
…
「そういうんじゃないから。」
と帰ろうとするとトオルは、
「あんなの簡単に落とせるでしょ」
と鼻で笑った。
…なんなんだ。
どんだけ上から目線なんだよ。
オレはそんなトオルの言葉は、スルーした。
まったく…
好きとかじゃないんだってば!
…じゃあ、何?
と少し疑問にもち始めた今日この頃なのでありました。
続く。
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