第5話人生初デート決行
人生初デートの日は土砂降りだった.車でアパート近くの本屋まで迎えにきてもらい,カフェに向かった.男子の運転する車の助手席に乗るのは勿論初めてで,それを悟られたくなくて,いかにも慣れているふうに装った.先輩は慣れている感じで流行りの曲をかけて話題をくれた.カフェはおばあちゃんが一人で切り盛りしているそうで,お時間かかりますけどすみませんと言われ,二人で窓際の席に座った.
メニュー表を二人で覗いてこれもいいあれもいいと迷って,結局私はフルーツパフェ,先輩はフルーツパンケーキを注文した.待つ間,やはり先輩が話しかけて,私が答えるという構図で気まずい空気になることはなかった.
パフェたちが運ばれてきて,写真を撮って,食べる.先輩がパンケーキを少しくれた.「ゆっくり食べていいからね笑」緊張して味はよく分からないけど,例によってそれを悟られたくなくて「めっちゃ美味しいですね!」とはしゃいでいた.
食べ終わって一息ついたころ,次どうする?ということになった.外は土砂降りなので,どこか散歩にというわけにはいかない.私はデート初心者なので,パフェを食べたら帰るものだと思っていた.普通に考えて,大学生のデートがパフェ食べて解散という方が珍しいのだ.
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