第4話人生初デートの誘い

 二年生,二十歳.私も化粧に興味をもち,動画を見漁り,見た目に気を遣うようになった.髪をブリーチして眉毛を整え,毛を剃る.イエベ・ブルベを自分で診断し,野菜中心の自炊でダイエット意識するようになった.いわゆる垢抜けのための行動を起こすようになった.SNSや周りの女子が皆可愛くて,自分もできることはやっていこうと思ったのだ.いろいろをちゃんとしようと思うとお金がものすごくかかる.少しでもお金が欲しくて.大学の近くの居酒屋でバイトを始めた.

 そこは他大学の先輩も働いていた.同い年の女子バイトに「あの人,女好きだから気をつけなねー」と忠告を受けた.初めてシフトが一緒になった日の帰り,LINEを交換しようと言われ,断れずに交換した.

いろいろ教えてくれるけど,確かに距離が近い.


「手奇麗だよね」「丸眼鏡似合ってるやん」


忠告のおかげで誰にでも言うんだろうなと思えて,受け流すことができた.しかし,如何せんイケメンなので褒められると嬉しくなってしまう.ある日「甘いの好き?今度暇な日,パフェ食べに行かん?」と誘われた.人生初めてのデートの誘いにどぎまぎしつつ,相手はチャラい文系男子だ.交際経験のある頼もしい友人たちに相談することにした.遠距離恋愛二年目の優希は「いいじゃん!パフェ!あんたが行きたいなら行けばいいよ,車で二人きりは心配だから気をつけて,なんかあったら電話しな」と言ってくれた.加奈も「行ってみるのいいと思う,経験だし」と.その会話の後,先輩に空いている日を連絡した.

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