第12話 「ピアツェンツア王国王城攻防戦・後編」
気絶した焦げ茶色の土竜を担いで天朱龍ニームはスカンディッチ伯爵領へと向かっていた。
途中で目を覚ました土竜なのだが、天朱龍ニームの魔力に直接触れているお陰で洗脳による破壊衝動が抑えられている。
落ち着いた今は色々と会話が出来る状態なのだ。
《すみません、お姉さん、ご迷惑をお掛けします》
「「へー?君って地龍に進化前なのに随分流暢に話す事が出来るのねぇ?」」
《俺は義理の兄に育てられたんですけど、幼い頃から「話す」事を兄に教えられたんです。
話す事が出来ると何かと便利だと言われて》
「「へー?なかなか教育熱心なお兄さんね~、君のお兄さんのお名前は?地龍なの?」」
《はい兄は地龍で名前は「ブリックリン」です》
「「!!!!!!!!!!」」ヒューーーーーーン・・・・
《うわーーーーー?!?!》
「ブリックリン」と言う名前にビックリした天朱龍ニームは思わずバランスを崩して急降下してしまう。
「「ごっごめんなさいね?ちょっと驚いちゃって・・・」」
《い・・・いえ、大丈夫です。お姉さんは兄と知り合いか何かなんですか?》
「「そうねぇ・・・君のお兄さんは有名人?だからねー」」
《それって「黒龍王」の事ですか?》
「「あっ、黒龍王の事は知ってたんだ?」」
《たまに「ラザフォードさん」が兄に喧嘩を売りに来ていたんで・・・》
「「・・・あの子、まだブリックリンを許して無かったのね?」」
《兄が悪いので仕方ないです》
ブリックリンとラザフォードの話しは「龍騎士イリス」にて書いてますので、気になった人は読んで見てやって下さい(熱い宣伝)
「「君ってしっかり者なのね?・・・もしかして名前もお兄さんに貰っている?」」
《はい、俺はガイエスブルクって言います》
「「ガイエスブルク君ね、私はニーム、天朱龍ニームよ、よろしくねっ」」
《よろしくお願いします、ニームお姉さん》
基本的に竜種は、例え教えられたとしても話す事は苦手なはずなのだが、ガイエスブルクは特別な才能が有るらしく苦もなく流暢に会話が出来る。
おそらくは、その優れた点が目に付いて魔族やはぐれ龍種に狙われた原因でもあるのだろう。
そうこう話す内にスカンディッチ伯爵領が見えて来た。
ここが「熱狂的な天龍ファンの巣窟」だと知らないでニームは何も考えずに普通に上空に侵入してしまった。
案の定、ニームが街の上空に入ると街の中が騒然となった。
「天朱龍様だ!今度は天朱龍様がお越しになられたぞー!」
「おお!噂に違わぬ美しい茜色じゃの~」
「きゃーーーーー?!ニーム様ーーーーー!!」
「「ええええーーー?!」」
一体何事?!と思ったニームだが時既に遅し、ドンドン地龍が集まって来る。
「今日何て良い日じゃろうか・・・ありがたやありがたや」
「素敵・・・」
しまいにゃ感動して目をウルウルさせる者まで現れる始末だ。
「「ななな?何で同じ龍種なのにこんな???」」
混乱するニームだが、アイドルとはそう言うモノなので仕方ないのだ。
天舞龍リールが来た時ほどの大騒ぎにはならなかったのだが、地龍達の熱狂と褒め言葉に天朱龍ニームは恥ずかしくなって顔が赤くなった。
元々、ニームは身体が赤いから分からなくね?と思ったが遠目でも頬が真っ赤なのが普通に分かる。
「きゃーーー!可愛いーーー!ニーム様ーーーー!」
そんな所を目敏く見つけるのもファンなのだ!
「「分かりました!分かりましたから!地龍の皆さん!余り騒がないで下さい!」」
《ニームお姉さんって地龍にも人気者なんですねぇ》
「「違いますから!単に物珍しいだけです!」」
そう天朱龍ニームは言うが彼女のファンも結構多い。
キリッとした所が特に地龍の女性に絶大な支持を得ているのだ。
彼女達だけには休日のニームの姿を見せる事は出来ないね!
そしてお約束の様にノイミュンスターの鍛冶屋の前に降りたったところ・・・
そこには運悪く天舞龍リールの降臨のショックの気絶からやっと立ち直ったマッテオが外の空気を吸う為に玄関前に座っていた。
そして目の前に降りて来た天朱龍ニームを見て、フラフラとまた気絶するマッテオだった。
「「きゃーー?!君!どうしたのー?!」」
《気絶しましたね?》
すると店の中からトムソン店長こと地琰龍ノイミュンスターが出てきて、気絶したマッテオを見て溜め息を吐く。
「全く・・・龍種を見る事に慣れて貰わねば困るのじゃがな・・・
しかし久しいのうニームよ、息災そうで何よりじゃな。
どうじゃ?街の者に歓迎されたであろう?」
そして天朱龍ニームを見て微笑む地琰龍ノイニュンスターだった。
「「お久しぶりです、ノイニュンスター様もお元気そうで何よりです。
・・・あの?あれは一体?・・・・」」
「地龍とはそう言うモノだて気にするでない」
「「そっ・・・そうなんですね???」」地龍の感性が全然分からないニーム。
それからニームは王城での経緯を説明して、精神支配されているガイエスブルクを診て欲しいとお願いする。
「ふむ・・・我は治療の方面は余り上手くないのだが、時間経過で悪化するタイプの術式じゃと厄介じゃな」
ニームの背に担がれているガイエスブルクを見てノイミュンスターが呟くとガイエスブルクに手をかざして「解呪」の魔法陣を展開する。
魔法陣を通してノイミュンスターの龍気がガイエスブルクを包む。
「ほう・・・随分と趣味の悪い呪術式だのぅ」
ノイミュンスターでも手を焼く呪術式なのか眉を顰める。
だか徐々に徐々に解呪は進んで行っているのかガイエスブルクの力が抜けて行き、目がウツラウツラとし始める。
そして完全に脱力してしばらくするとガイエスブルク寝息を立て始めた。
「ふむ・・・これで大丈夫じゃろ」
ノイミュンスターの治療の様子を見ていたニームは自分の不甲斐なさに自己嫌悪に陥っていた。
この力が有れば先程の天龍の事も助ける事が出来たのでは?と。
天龍は医療に長けてはいるのだが、最終的にはノイミュンスターの様に大きな魔力が必要になるのだ。
「ニームよ・・・どこにも神などおらんのじゃ」
「「えっ?」」ハッと顔を上げてノイミュンスターの顔を見るニーム。
「我はこのガイエスブルクを助ける事は出来たが、その天龍を助ける事は出来なかったじゃろう・・・
ガイエスブルクは我と同族だから我の力が通用したに過ぎぬ。
我等とてこの手で掴める物は少ないのじゃ。
無論、地龍王様も天龍王様もじゃな、今出来る事を全力でするしかないのじゃ」
ノイミュンスターはニームをそう諭す。
「「・・・・・はい」」思う所は多いが前を向くニーム
すると「キュウウウウ」と土竜らしい可愛い寝言を上げるガイエスブルク。
ニームはガイエスブルクを降ろして寝かせると、
「「この子の事、よろしくお願いします」」とガイエスブルクをノイミュンスターに託したのだった。
鍛治店の倉庫に作られた寝床に寝かされていたガイエスブルクが目を覚ました時にはもう天朱龍ニームは帰った後だった・・・
そしてガイエスブルクは、
「ありがとうございました・・・ニームお姉さんのおかげで助かりました」
と心の中でお礼を言ったのだった。
こうしてトムソン鍛冶店には、アスティ公爵家三男のマッテオ、魔族のオーバン、土竜のガイエスブルクと居候が3人に増えたのだった。
「ふむ・・・ウチは鍛治屋で保護施設ではないのだか・・・」
増え続ける居候に少し困惑するノイミュンスター。
大丈夫、心配するな。・・・・・・まだ増える予定だから。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
その頃、天舞龍リールは、王城での戦いを天朱龍ニームに任せて自分は転移陣から伸びている魔力痕を追跡をして敵の中継基地を潰しつつ本陣の探索している。
天龍レンヌはラーナのところで待機していて特に動かなかった。
敵がラーナの元へ直接、龍種を送り込んで来る可能性が有ったからだ。
転移陣を使っての魔物の急襲から始まったピアツェンツェア王国王城の戦いは魔族側の敗北で終わった。
しかし本当の絶望的な敗北を味わうのはここからなのだ。
「「見つけたよ!!」」
天龍龍リールはアスティ公爵領で最初の転移陣の痕跡を見つける!
転移陣を18ヶ所の中間地点に散らばして設置する事で索敵を困難にさせる工作がされていたが、しらみ潰しに当たれば良いだけの話しだ。
そしてそんな事は天舞龍リールにかかれば造作も無い事だ。
アスティ公爵領の南端にある古い城塞・・・ここが魔族の拠点だ!
「「ねえ?君達さあ・・・
自分達は安全なところで高みの見物とか虫が良いと思わないかなぁ?
幼い天龍や土竜を使ってさあ!!!!」」
天舞龍リールの青い体が怒りの龍気と共に強烈な蒼い閃光を放ち始める。
「天舞龍の逆鱗」
憤怒に身を任せて天舞龍リールは今まさに愚かな者共に神罰を下す!
城塞に近づくとスピードを緩めてわざと敵に発見させる。
自分達の敵が一体誰なのかを思い知らせる為に、そして全てを絶望させる為に。
「北東から天龍が急速に接近中!魔導砲用意!」
練度が高い砲兵部隊なのかすぐさま照準をリールに合わせる!
「徹甲弾装填完了!斉射開始!」
ガガガガガガァン!!!!
6門の魔道砲から300mmの砲弾が一斉に発射される!!
しかし天舞龍リールはそんな事には構わず弾幕の中に突っ込む!
ガガン!ゴオン!!ガギィーン!!ドオオオオオン!!
3発の砲弾が身体に命中するもアッサリと弾かれる!
弾かれた弾が城壁の上にいた魔族の部隊にモロに直撃して20人程度の魔族兵が粉々になりながら吹き飛ぶ!
「ぎゃあああああーーーー?!?!」
ズドオオオオンン!!!!メキメキメキメキ!!ゴゴゴゴゴゴ・・・
「ああ?!第5小隊が?!」
「なあ?!」自分達で撃った弾で自軍に大損害を引き起こしてしまい驚愕の表情の砲兵達!
「「残念だったね!
こうなった時の私の身体ってダイヤモンドより硬いんだよねぇ!!!」」
気合い一閃!天舞龍リールは全長15mほどの長剣で魔導砲を薙ぎ払う!
ズバアーーーーーーンンンンンン!!!メキメキ!!バキバキバキバキ!!!
魔導砲を斬った剣撃のその衝撃波が更に100m以上の城壁を吹き飛ばす!
城壁ごと魔族やアスティ公爵の私兵達が斬り飛ばされ、身体がバラバラになりながら地面に落下して行く。
ドンドン!!ドオオオオオン!!ズドオオオオンン!
「うわああー!!」「気をつけろ!普通の天龍じゃないぞ!」「ひいいいい!」
どの伝承を見ても「天舞龍の蒼い閃光」の事など書かれていない。
なぜならば蒼い閃光を見て生き残った者が皆無だからだ
なので今戦っているのが天舞龍リールだと言う事が誰にも分からない。
強力過ぎる天龍の登場に城壁内の兵士達は恐慌状態に陥り右往左往し始めた。
しかし天舞龍リールは情けは必要無し!とばかりに無作為に走り回る城壁上に居た兵士26人の首を横一閃の一撃で刎ねる!
その直後に剣に込められていた魔力の残滓が爆発を引き起こして、その爆風が更に周囲の兵士を吹き飛ばす!
ズドン!!ズドオオオオンンゴオオオオンン!!!!
「あああ?!ぎゃあああああ?!?!」
ゴコゴンン!!!ドオオンン!!!飛んできた城壁の石に押し潰される兵士。
天舞龍リールの攻撃範囲外の城塞の兵士は慌てて全バリスタを使って天龍龍リールを撃つが飛ぶ速度が早くてかすりもしない。
例え当たったところでチクリともしないが、天舞龍リールは自分の姿を敵に見せ付ける様に華麗にかわし続ける。
「まままままさか?!天舞龍リール?!?!」
天を舞う様に飛ぶ天龍・・・天舞龍リール?!と、ここでようやく天龍の正体に気が付く兵士達。
「「今更気が付いた所で全てが遅いけどねぇ!」」
リールはバレルロールをしながら左右にある射塔を横斬りで粉砕しつつ急上昇をして長剣を上段で構えたまま射塔の上で静止する。
この射塔に居た兵士達の命運が尽きた瞬間だった!
「うわわああああああー!!!!」
「ひぃやああああああーーーーー?!?!」
恐怖の余り兵士の気が狂った悲鳴を聞きながら今度は上段から長剣を振り下ろす!
ズバァアアンン!!!ズゴオオオン!!!!
ズドドド!ドオオオオオン!!ガガガガ!!カガーーーン!!
バリスタごと高さ20mの射塔が真っ二つになり兵士の死体や瓦礫が下の兵士や魔族達に降り注ぎ次々と生き埋めにして行く。
そしてキイイイイインンン!!と甲高い音と共に空気の密度が変わる!
天舞龍リールの怒りで大気が悲鳴を上げ始めているのだ。
天舞龍リールは愚か者共に与える恐怖はもう充分と、トドメの一撃を放つつもりだ!
急激にリールの大きな翼の蒼い閃光が強くなり、その閃光がリールの口元に集積され蒼白い閃光に変わって行く!
キィイイイイイイイイイイイイイインンンン!!!!!!
天龍の咆哮!ドラゴンブレスだ!
「「はああああああ!!!!!!!」」
ゴオオオオオオオンンン!!!!!!!
ズドオオオオオオオーーーーーンンンン!!!!!!!!!!!
数百の雷が一斉に降り注いだ如くの轟音がアスティ公爵領全てに響き渡り蒼白い閃光が空を覆った。
その閃光は遠く離れた王都からも観測されたのだ。
空の光が元に戻った時には爆心地に有った全ての物が消滅していた。
完全消滅・・・
文字通りにそこにあった筈の岩山と城塞は全ての兵士と魔族と魔物を巻き込み完全に消滅していた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
その日ピアツェンツェア王国には直前の王城襲撃など吹き飛ぶ衝撃が走った!
「アスティへの神罰」と後の歴史書に記される事になる天舞龍リールの一撃。
700人の魔族兵と2500人のアスティ公爵の私兵がアスティ城塞ごと完全に消し飛ばされて、残ったのは直径300m高さ20mのクレーターだけだったとの伝令が来たのだ。
しかもその爆心地の周囲一帯はもの凄い「魔力障害」を起こしており、今後30年は草木すら生える事は無いだろうとの事だ。
「天龍教」が国教の国が守護龍たる天龍から怒りの一撃を受けたのだ!
もしこれを行ったのが地龍であればここまでの恐慌にはならなかったが神罰を与えたのが自分達の信仰する天龍だ!
民衆は凄まじい程に怒り狂った!「我々の神になんて不遜を!!」と・・・
イタロ・フォン・アスティ公爵と側近、そして残った私兵達は、息子のグイードが率いる「アスティ公爵家正規兵」に屋敷を包囲され捕らえられた。
罪人イタロは、アスティ公爵家からも「逆賊」とされたのだ。
協力したとされるイタロの取り巻きの貴族達も自分の身内や領民に捕らえられた。
家名と領地を守る為に身内や領民から切り捨てられたのだ。
これから罪人達への裁判が行われるが、全員の死刑は免れないだろう。
王城内で一隊を率い魔物達と戦っていた王妃ファニーは、アスティ城塞消滅の一報を聞いた時、地琰龍ノイミュンスターの言葉を思いだした。
「天龍は罪人に対しては地龍より苛烈なのじゃ」
もし城塞を攻撃をしたのが地琰龍ノイミュンスターだったなら・・・
おそらくは背後関係や龍種の洗脳に関する情報を得る為にある程度の攻撃を行った後に降伏勧告をしただろう。
もっともその後に来るであろう苛烈な処断に情けなどかけないが。
ほとんど苦しみ無く消滅するのと、命が助かる可能性に賭けて長く苦しむのと、
どちらが慈悲深いかと聞かれると分からない。
とにかく一連の魔族の陰謀は天舞龍リールの手により粉砕されて魔族の野望を大きく後退させる結果になった。
ーーーーーーーーーーーーーー
「・・・・全く、お主はやり過ぎなのじゃ。
全部消し飛ばしてしもうたら情報が入らんではないか」
呆れた感じで天舞龍リールに苦言を呈する地琰龍ノイミュンスター。
「いやー頭に血が昇り過ぎて細かい事は全部、頭かや飛んじゃってさぁ」
ノイミュンスターの苦言にスッと目を逸らすリール。
「今後の天龍は魔族と全面戦争になるのかのう?」
地凱龍スカンディッチが天舞龍リールに尋ねると、
「いえ・・・お父様からは「事態の収拾の後は愛し子護衛の任務続行せよ」だってさ」
父である天龍王アメデからはもう怒られているリール。
トムソン鍛冶屋には地琰龍ノイミュンスター、天舞龍リール、地凱龍スカンディッチ、天朱龍ニームが集まり今後の事が話し合われていた。
例の如くマッテオは速攻で気絶して退場。
魔族のオーバンは給仕。
土竜のガイエスブルクはニームの側で丸まりご機嫌だ。
「どうも魔族の本命の狙いは私達じゃない見たいなのよね。
魔族ね攻撃の本命はゴラド王国らしいのよ」
何とか話しを自分のやらかしから逸らそうと必死の天舞龍リール。
「ふむ・・・まぁ、現実的な狙いだな、奴等の食糧事情を考えると最優先だろうて。
わざわざ遠い中央大陸を狙うより近くの西の大陸のゴルド王国西部の穀倉地帯を狙うのが合理的と言うモノじゃな」
「しかし奴等はピアツェンツェアに仕掛けて来たのじゃろうか?
戦略的にも戦術的にもリールを王城に釘付けにするのが最適だったと思うのじゃがなあ」
解せぬと言った感じの地凱龍スカンディッチ。
「さあ?ただの馬鹿だったんじゃない?
戦って見たけど雑兵の集まりだったよ、高位の魔族はいなかったぽい」
そう言うリールだが、実際には3名の高位魔族(スペクター)がいたのだが結局何も出来ずに消し飛ばされてしまっていた。
「ではシーナは、我が領に帰還するのかのう?」
「いや・・・シーナは龍戦士を目指す事になってのぅ、しばらくは本国で地龍王様と鍛錬だそうだ」
「なんと?!龍戦士じゃと?」これには驚く、地凱龍スカンディッチ。
「へぇー?叔父様直々の鍛錬かぁ・・・そりゃ凄いね、ついでに私も手合わせして欲しいなあ・・・」
「??地龍王様に頼めばいつでも相手をしてくれるじゃろ?」
天舞龍リールの呟きに不思議そうに質問する地琰龍ノイミュンスター。
「それが・・・前に鍛錬に付き合って貰ったら・・・お父様がヤキモチを焼いちゃって大変だったのよねぇ」
「なるほどのう・・・それは有りそうじゃわい」
「代わりにノイミュンスターが相手をしてくれる?」
「我か?・・・そりゃ構わぬが・・・なぜ地龍と鍛錬したいのじゃ?」
「少し、「地上戦」のスキルも上げたいのよ。何か有った時に役に立つでしょう?」
「お主に何か有る時は「世界の滅亡の時」なのじゃがのう・・・」
突如として鍛錬の話しになり基本グーダラの天朱龍ニームは、とばっちりが来ない様に空気になるべく自分から離れないガイエスブルクにちょっかいを掛け始める。
「キュルルルルルル」
ニームに撫でられて気持ち良さそうに喉を鳴らすガイエスブルク。
「それにしてもシーナが龍戦士か・・・今後が楽しみじゃのう」
「そうじゃのぅ」
その場に居た誰もが「なぜお姫様が?!」と言わない所がじつに龍種らしかった。
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