第10話 「ピアツェンツア王国王城攻防戦・前編」
転移陣を使い大量の魔物の群れを送り込まれたピアツェンツア王国の王城は大混乱に・・・なっていなかった・・・
「きゃあああああ?!?!ファニー様!お待ち下さいませぇえええ?!?!」
ズドン!シュバ!
「ゲエエエエエ?!!!!」ズウウンン!!
王妃ファニーの槍の一撃が炎鳥にクリティカルヒットして炎鳥は地面に落下する。
「え?何か言いましたか?」
王宮メイドの悲鳴を聞きキョトンとしている王妃ファニー。
彼女は東の辺境、修羅の集う国と呼ばれるヴィアール辺境伯家の出身だ。
若い頃は「戦乙女」と異名で呼ばれた槍使いで、地元では魔物達とそれはもうバッチバチに戦いまくっていて対魔物戦にはメチャクチャ強いのだ。
涼しい顔で危なげなく炎鳥や紫虫をドンドン始末して行く。
「あ・・・いいえ??・・・ファニー様はお強いのですね?」
「いいえ?わたくしより強い方などその辺を探せばいくらでもいますわよ?
・・・それにしても数だけは多いですけど、レベルは全体的に低いですわね。
その辺から適当に集めた感じですわ・・・ね!」
ヒュン!スパーーーン!!
王妃ファニーは槍を軽く一振りして後続の炎鳥をまた斬り落とした。
「そうですねー、敵はどこまで本気なのでしょうか?
「アイス・ジャベリン!!」」
ズガガガガガガ!!!ガン!ガン!ガン!
王妃ファニーの後ろで支援攻撃をしている女官も涼しい顔して「氷槍」を連射して炎鳥を次々に狙い撃ちにして行く。
「フローラ敵の狙いが判明するまで、とにかく今は防衛一辺倒です!前に出てはいけませんわ!」
「はーい」
この様な感じで後宮の正面入り口では王妃ファニーと魔導兵団のフローラが陣取り魔物を迎え撃っているのだ。
今の所は余裕で魔物を捌いている。
それに加えて王妃ファニーに強力な援軍が現れる。
「ファニー様!」
フローラと共に奮戦している王妃ファニーの元へブロッケン侯爵が率いる「王妃専属騎士団」が到着したのだ。
「良く来て下さいましたわブロッケン侯爵閣下。
ここは大丈夫ですので外宮の援護に向かって下さいまし」
「了解しましたぞ。しかしファニー様の元に2個小隊は残して行きますぞ」
ファニーの強さは敵対していた時期に己の身を持って良く知っているブロッケン侯爵はファニーには護衛の騎士を残して、自分は外宮に侵入した魔物の駆逐を始める。
こんな感じに王妃ファニーが防衛部隊の陣頭指揮を取っているので宮廷内の混乱は最小限度に抑えられているのだ。
ゴオオオン!ドオオンン!ズドオーーーーン!!
「うわ?!何だ?!」
「大変!見て!お城から煙が!」
いきなり始まった王城での戦闘に街の住民がパニックになり掛けるのだが、
「はーい、皆さん落ち着いて下さいね。
王城の方は大丈夫ですから各地区の広場に集まって下さーい」
ゴオオオオオオンン!ガァアアアアンン!!
絶え間なくピアツェンツェア王城での魔導砲の発砲音が城下の王都中に響いている。
しかし街の民衆がパニックにならない様に既に憲兵隊と城兵部隊が安全地帯に避難誘導を始めていた。
都内各所に整備されている広場は住民達の避難場所であり有事の際には強力な障壁を発生させる魔法陣が備え付けられている。
「んー?なんだアリャ?陛下と王妃の夫婦喧嘩か?」
「んな訳ないでしょ?!早く王城に応援を送って下さいマスター!」
何とも惚けた事を言う冒険者ギルドのマスター・イノセントだが、
ヤニック王と王妃ファニーがガチで喧嘩したらこんな感じになる事だろう。
実際、国王と王妃は若い頃に結構ガチでやり合った仲なのだ。
「質問!マスター!臨時報奨金とかは出るんですか?!」
「当たり前だろ?とっとと稼ぎに行け」
「よっしゃぁあああ!!行こうぜ!稼ぎ時だぁああ!」
「うおおおおおーーーーー!!!」
王城の緊急事態を察知した冒険者達が報酬狙いで王都全域に緊急展開して有事に備えると共にBランク以上の冒険者は全員王城へ援軍へ向かう事が決定した。
目が「金金」になった冒険者は恐ろしい・・・
王都内に隠してあった敵方の転移魔法陣を次々とガメつく見つけ出すと100人ほどで取り囲み、魔物が出て来た瞬間に寄ってたかってボコボコに瞬殺して金と経験値と功績値を稼ぐ荒技を繰り出したのだ。
金や経験値もそうだが功績値が貯まるとランク昇格なので全員の目がメッチャ血走っている・・・そして緊急事態の現在は功績値2倍セール中なのだ!
人間の欲望とは恐ろしいモノなのだ。
その間に憲兵隊が住民や非戦闘員の避難を無傷のまま完了させる事に成功する。
おかげで敵の主作戦の一つだった「王都も混乱させる」のも全然達成出来ていない。
王都の方が安全だと分かると王城に出向いた上位冒険者達も気合いが入りまくる!
一方渦中の王城内では近衛兵団を中心に魔物との戦闘が激化していた!
魔物の数は多いが初期対応が良かったので被害は最小限に抑え込まれている。
「おい!城内にまた魔物が召喚されだぞー!!」
「マジか!どこよ?!」
「黒狼50体が外宮に向かっているぜ!
外宮通路の扉は閉鎖完了して奴らはもう通路の中で袋の鼠だぜ!ヒャッハー!!」
「黒狼だって?!毛皮と牙と報酬金の三重取りじゃねえか?!」
「稼ぎ時だぜ!ヒャッハー!!!」
「オラオラオラーー!!!」
キャイン!キャイン!キャイーーーン!!キャイイインンンーーー?!
哀れ・・・50体の黒狼達はあっという間に冒険者達の餌食となったのだった・・・
「ブロッケン閣下・・・これ・・・いかが致しますか?」
「放っといて良いんじゃね?楽ちんだし・・・」
こんなビッグウェーブに乗らない訳に行くかい!
戦場になった王城内まで商人達まで出張って来て、倒した黒狼を冒険者達から先を争いながら次々と買い付けている。
そして王都内も似た様な状況だったらしい・・・
商魂もとても恐ろしいモノなのだ。
「城内の要人は内宮のホールへ誘導せよ!慌てるでないぞ」
「各宮の門は閉められて城壁側からバリスタで魔物への攻撃を開始しています!」
「あーーー?!ダメだってーーー!バリスタでの攻撃らめーー!」
「え?!ダメなの?!」
「変な傷がついちゃうでしょ?!アレは俺達の金だーーー!!」
冒険者乱入で形勢は一気にピアツェンツア側に傾き、戦況はピアツェンツア王国側の掃討戦の様相を呈して来た。
突如の魔物の召喚に若干混乱した城内だったが近衛騎士団やブロッケン侯爵の私設騎士団を中心に即座に立て直しが完了、猛烈な迎撃が開始されていた。
そんな王都、王城大乱戦の最中、城内に存在していた「勇者」の2人が王城に潜入して来た上位魔族「スペクター」の感知して王座の椅子を前で対峙していた。
「よお・・・アテが外れてザマァねぇなぁ、おい」
「うるせえよ!つーか「王様」自らお出ましとは良い度胸じゃねえか?」
「そうか?お前等こそ、少しは身の程なんてモンを少しは知った方が良くねえか?」
「けっ!ほざいてんじゃねえぞ「神虎!!!」ぉおお!!」
余裕綽々な様子で虚勢を張っていたスペクターの男だったが内心は焦りまくりだ。
《ヤバイヤバイヤバイ!槍のクルーゼに神虎ヤニックだとぉ?!?!
死ぬ!絶対に俺死んじゃうーーー!!》
このスペクターの男、黙示録戦争で大量に失った人員確保の為に無理矢理スペクターに昇格させられおり、戦闘の実力は下の上程度しか無い。
今回も半ば「捨て石」の様に王城へ放り込まれたのだ。
なので魔族に対する忠誠心は下限突破している。
ジリジリと自分に詰めて来る勇者2人にスペクターの男が動く!!
「すみませんでしたーーーー!!!」
「お?おう??どした??」
いきなりその場に土下座したスペクターの男に驚く、槍使いのクルーゼ。
「俺が死ぬと子供が飢えて死ぬんです!降伏します!!」
「そ・・・そうか?それは大変だったな?」
この流れはヤニック王も意外だったのでメッチャ驚いている。
そして心優しいヤニック王はその悲惨な境遇に同情するのだ。
こうして子供の為に戦っていたスペクターの男はアッサリと2人に降伏してしまう。
ぶっちゃけ子供達の食糧さえ手に入れば他はどうでも良いからだ。
「そんなに今の生活がきつかったらさ・・・・・家族を連れて家に来る?」
案の定スペクターの男にも助け舟を出すヤニック王。
「本当っすか?!マジで良いんすか?!」ガバッと顔を上げる男。
天敵に降伏するほどにスペクターの男は相当追い詰められている様子だった。
「無論、お前達の情報を話してくれるのが条件だけどね?」
「喜んで!!」
出会った勇者が、かなり甘い所があるヤニック王だったので彼の家族も共に正しく「九死に一生を得た」スペクターの男。
このスペクターの男の名前はオーウェンと言う。
ヤニック王に家族と共に庇護を受けてからは、厳しい飢饉を体験したせいなのか、
戦士の道をアッサリと捨て去り農業研究に邁進する。
歴史に名を残す活躍こそ無かったが、ヤニック王と次代の王の治世では農業大臣を務め上げ優秀な功績を残したのだ。
こんな感じにヤニック王は先のブロッケン侯爵然り、とんでもない所から無自覚に優秀な人材を多く手に入れてその治世を安定させるのだ。
「やっぱりお前はスゲェよヤニック・・・」
「そうかなぁ?」
農業大臣オーウェンの大活躍を見たクルーゼが改めてヤニック王を上方へ見直したのだった。
さて前座の戦いが進む中で、本命である天龍の戦いの時が来る。
天龍レンヌと天龍ニームは内宮にて歴史の授業を受けていた王女ラーナを連れて離宮にあるラーナの私室に避難が完了。
ラーナの私室は見た目には解らないが、天龍達によって多重防御障壁が展開している難攻不落の要塞になっている。
「状況はどうなっているのでしょうか?」
ラーナは怖いとか言うより戦っている者達が心配だと言う表情だ。
「冒険者達が全力で介入して来たから戦況はこちらの優勢よ」
出番が無くて暇なので天朱龍ニームはラーナのベッドのシーツの敷き直しをしている。
「それは良かったです」
攻撃が開始された直後、ラーナの護衛にレンヌを残してニームが参戦しようとしていたのだが、ピアツェンツア王家の者達の反撃が凄まじくて保留状態になっている。
「魔物がちょっと可哀想になって来るくらいの猛反撃よね」
龍眼を使い戦場を俯瞰して見ている天龍レンヌも苦笑いだ。
「新たに黒狼が56体、炎鳥が36匹、紫虫が285匹、大鬼が4体、小鬼が82体投入されたわ。
後続の気配を感じないから、そろそろ打ち止めかしらね?」
レンヌは更に龍眼を使い敵の戦力を分析する。
「召喚内容に統一性がないわね、おそらくは魔物の生息地域に転移陣の罠を張り、罠に掛かった魔物をただ送り付けているのね・・・
ただ・・・オーガとゴブリンは精神支配を受けているわ」
「オーガ・・・ゴブリン・・・助けられないのですか?」
「少し難しいわ、向こうも攻撃して来るから被害を受ける前に討たないとダメなの」
「可哀想に・・・」
レンヌの言葉に悲しそうに俯くラーナ。
前世ではオーガやゴブリンとは凄く仲が良い友人だったので、無意識ながらも彼らに何もしてやれないのが凄く悲しいのだ。
ちなみにラーナ自身は前世のエリカの記憶は忘れている状態だ。
何かきっかけが有れば思い出すのだろうが、周囲の者達も無理に記憶を引き出そうとは考えていない。
と言うか誰もが「どうせイリスが何とかするんだろ?」と思っている。
そんな時、「え?!何アレ?!」いつもクールな天朱龍ニームが驚きの余り大きな声を上げた!
ニームの龍眼に見えるのは圧倒的な存在感を撒き散らしながら王城の最上部に有る、大時計台の屋根の上で10頭余りのベヒモスを従え悠然と立つ一人のヴァンパイアの姿だった・・・
「魔王マクシム???」小さな声で天朱龍ニームが呟いた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
時間は10分遡る・・・
「うう~・・・・」
「影見」を使いピアツェンツア王国での戦いを仰向けで寝ながら観戦していたエルフの女王イリスが唸り出す。
「どうしたのじゃ?イリスよ」
「バルドルさん!精神支配されてるオーガとゴブリンを助けて下さい!」
エルフの盟友であるオーガやゴブリンが精神支配を受け人形の様に戦いに駆り出されている姿が悲しくて仕方ないイリス。
断れるのを承知の上で魔王バルドルにお願いして見ると・・・
「よし!分かった!任せておけ!」
「え?!」
「え?!」
思わぬ魔王バルドルの即答に驚いたイリス。
「いや・・・「他国への介入はダメだ」って断られると思っていたから」
「そうじゃな・・・確かに大問題になるなぁ。
協定違反により龍種に対しての「始末書」待ったなし!・・・じゃな」
「え?じゃあ何で??」
「うむ、儂が良いか悪いかと言う以前に「激オコのマクシム君」がオーガとゴブリンを助ける為に友達の「ベヒモス君」達とピアツェンツアに行ってしまったからな」
激オコ覚醒魔王のマクシム君がピアツェンツア王国で起こっている戦いに緊急参戦したのだ!
「え?!マクシムさん、激オコなの?」
「うむ!これでもか!と言う程に激オコじゃった。
「おのれ!卑劣な者どもめが!我の盟友を助け!共にピアツェンツアを制圧してくれるわ!」
って言いながら、さっき転移陣を使って飛び出して行っちゃった」
「えー?!それって不味くない?!」
「うむ!激マズだな」
「え?何でマクシムさんを止めなかったの?!」
「誰がマクシム君を止められるのじゃ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・誰もいないね?」
「そうじゃろう?
まあ・・・ピアツェンツア制圧云々はただのキメセリフだろうから大丈夫じゃろ?」
「・・・・・・・・もしマクシムさんが本気だったら?」
「儂は「イリスダンジョン」に引きこもって1000年は出て来ない」
「1000年だと使用料が1日12000円×30日×12ヶ月×1000年で・・・
43200000000円(相当)になるよ?!
バルドル様!毎度ご利用ありがとうございます!
お食事は三食付き和洋中を全て取り揃えております。
最近なら「季節の果物バイキング」が特にお勧めです。
それからお部屋のグレードアップのご相談も受け付けております!」
思わぬ大口客登場に商魂大爆発のイリスダンジョンの寝たきりオーナーのイリス。
「改めて聞くと高っ?!・・・あの、少し・・・まけて?」
「ダンジョン全体の方針ですので私の一存で料金をまける事は出来ません。
お支払いは現金又は相当品の一括払いでお願いします。
まける事は出来ませんが、現在イリスダンジョンでは貴金属キャンペーンを行ってますので是非そちらをご利用下さい。
今ならなんと!10%もお得となっております!
ちなみに、お部屋グレードアップは1日プラス7000円(相当)になっております」
仰向けに寝ながら、つらつらと明瞭なセールストークをするイリスが少し怖い・・・
果たして真魔族四天王のマクシム君は本気でピアツェンツア王国を制圧するのか?!
そして魔王バルドルは責任者の追求逃れの為に「イリスダンジョン」に1000年引きこもってイリスに使用料43億2千万円(相当)を支払うハメとなるのか?!
風雲急を告げる真魔族四天王マクシムの戦いが今!始まる!
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
《来たぞ?マクシムよ・・・》
体長15mを優に超える立派なベヒモス・ロードがマクシムに向かって洗脳を受けて操られているオーガとゴブリンが達が来た事を告げると・・・
「うむ・・・貴殿等はここで待て・・・・・とお!」
そう言って大時計台から飛び降りた真魔族四天王のマクシム。
《・・・・・・ねえ?アタシ達は何しにピアツェンツアに来たの?》
《知らん》
せっかくマクシムに付き合ってピアツェンツア王国まで来たのにも関わらず、
そのマクシムに見事に置いてきぼりにされたベヒモス達であった。
地上に降り立ったマクシムはオーガとゴブリン達に向かい真っ直ぐに歩いて行く。
マクシムの接近を察知した彼らは剣を抜き、槍を構えて臨戦体制を取る。
それでも無防備に近づくマクシムの腹にゴブリンが槍を突き刺した!
ガィイイインンン・・・・・カラン!カラーン!
腹の筋肉を突いたはずなのだが、まるで金属を突いた様な音が鳴り響き、手を痺れさせたゴブリンが槍を落とす。
「この馬鹿者!貴殿はそれで良いのかぁ?!」
ドバチィイインンンーーーーー!!!「ぐほお?!?!」
マクシムの強烈な「ビンタ」がゴブリンにヒットして、ぶたれたゴブリンはクルクルと回ってダウンする。
「貴殿も!貴殿も!貴殿もだーーーー!!」
バチーーーーーン!ビターーーーーン!!ドバチィーーーーーン!!
「くあ?!」「おう?!」「ひぎっ?!」
次々とオーガとゴブリンにビンタをして行くマクシム?!
いや!何してんの君?!
バッチィーーーン!バシーーーン!!小気味良くテンポ良く叩くマクシム。
「貴殿で最後だーーーー!!」
バッチーーーーン!!!「ぐおお?!」最後のオーガを叩いたマクシム・・・
マクシムの周囲には叩かれて気絶したオーガとゴブリンが転がっている。
「目を覚ませ!友よ!」マクシムの一喝で・・・
「う?・・・」「お・・・俺は??」「いててて・・・」「ここは?・・・」
見事に洗脳から解放されたオーガとゴブリンが目を覚まし始めた???
うっそーーーん??
「正気に戻ったか友よ?故郷で家族が待つ・・・帰ろうではないか」
「あ・・・貴方様は?」
「様など要らぬ!貴殿等の友、マクシムだ!」
「友?マクシム?・・・・・・お・・・・おおおおお?!?!」
「助かった?!俺達!助かったんだ?!友マクシム?!」
正気に戻ったオーガとゴブリンが助かった感動に打ちひしがれる・・・
「さあ!友よ!故郷の南の大陸に戻り悪辣な魔王とエルフの女王を倒し!
共に「南の大陸を制圧しよう」ではないかーーーーーーー!!!」
「う?うお・・・・うおおおおおおーーーー!!!」
ウオオオオオオオオーーーーーーーーーー!!!
マクシムの大号令に鬨の声を上げるオーガとゴブリン!!
次に進むは、故郷である「南の大陸の完全制覇」だーーーー!!
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
「なんかいきなり矛先がコッチ(南の大陸のラーデンブルク公国)に向いたー?!」
「ふっざけんなよ!マクシム!
お前が自分勝手に魔王を辞めて儂にめんどくせえ魔王を押し付けておきながら、なんちゅう言い草だーーー?!
南の大陸制覇も何も元から全部お前のモンじゃねえか!」
『そもそもオーガとゴブリンの故郷は「東の大陸」です!
「南の大陸」じゃないじゃないですかぁーーー!!』
「あらあら?困った人ですねぇ?うふふふふ」
マクシムに対して非難轟轟の裏方達であった・・・
そしてマクシムが連れ帰ったオーガとゴブリン達は普通にラーデンブルク公国に移住したのだった。
そしてマクシムに本格的に忘れられてピアツェンツア王国に置いてきぼりされたベヒモス達は、暫くの間マクシムに返事をしなくなった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「え?!何コレ??」
「ここからどうやって話しを繋げれば良いの?」
「はい!一旦終了ー!中編で仕切り直しでーす」
ホントすまんかった!でも凄く楽しかったです!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます