炭水化物論争
古から物議を交わす食べ方があります。
皆様はどちらの立場にお立ちでしょうか。
そうです、炭水化物 掛ける 炭水化物の組み合わせです。
古来より人は炭水化物を主食に置き、それを主体とした食事をして来ました。
そして時は流れ主菜、副菜、汁物を基本とす日本型食生活が定着しました。
現代型ジャポニカヒューマノイドである皆様には遺伝的アルゴリズムに寄って組み込まれて居る事でしょう。
しかし昨今の隆盛。
食の多様化に寄ってこれらの重要度は著しく低くなりました。
誰しもが健康の為には日本型食生活が良いと理解しながらも、圧倒的な食の暴力の前に自制心の制御リミッターが外れ、カロリーという魔窟に我が身を委ねています。
カロリーの魔窟文化に分類される物の一つ。
炭水化物をおかずに炭水化物を食べる文化が存在します。
これは「炭水化物 掛ける 炭水化物シンドローム」と呼ばれしばしば論争の対象になります。
時にこの論争は白熱に白熱し、持っている箸は鋭利な槍となり、銀色のお盆はスパルタス宜しく、鎧や盾に変わります。
激化するこの争いで儚く散っていった同胞は死屍累々として山となし、尚、終わる事はありません。
それでは何が有るのでしょうか。
ここでは片一方は白米に固定する事とします。
ラーメンにご飯。
これは所謂ラーメンライスと呼ばれていますね。
ラーメンをおかずにご飯を食べる文化です。
仮に私が食べるのならチャーシューや海苔を使用するかと思います。
残ったスープに入れるという逃げ道も有りますが、これはラーメンをおかずと捉えていないのでカテゴリー外になります。
私の知人に「カップラーメンは味噌汁の変わり」と言っていた方がいましたね。
逞しい限りです。
そうですね。
お好み焼きにご飯。
これも忘れてはいけませんね。
論争の渦中にはいつもこの方が鎮座しておりますから、最早「戦犯」と言っても過言ではないでしょう。
これも仮定すると「そもそもソースの味が濃いから食べれる」でしょうか。
後は豚肉や魚介が入っているのでそれと共にかき込む事も出来そうです。
ほうなる程。
焼きそばにご飯。
そんな組み合わせも有るのですね。
私は存じ上げておりませんでした。
見聞の無さに顔が赤くなってしまいました。
まだまだ「これを忘れてるぞっ」と思われる方も居られる事でしょう。
食の可能性に感嘆の念が堪えません。
これらに共通しているのは「味が濃い」食べ物ということがおわかりかと思います。
私の立場ですか。
お察しの通り「食べ無い派」でございます。
単純に食べる機会が無いだけです。
あしからず。
ある日のお昼。
いつも通り私が行きますと、珍しくこのタイミングで電子レンジで温め直しが始まりました。
電子音と共に温めが終わり、私の前に小さい丼ぶりが置かれました。
嗚呼。
何と言う造形美でしょうか。
思わずうっとりしてしまいますね。
そしてこの白に白を重ねるセンス。
これはお洒落上級者にしか許されないチョイスです。
私がこの域に達するには後どれだけの研鑽を重ねれば良い事でしょうか。
箸を付ける事が躊躇われますね。
この完璧なフォルムを崩してしまう事に罪悪感を覚えてしまいます。
なんと。
最早お気付きでしたか。
とても聡い方とお見受けします。
丼ぶりご飯から顔を覗かせていた物。
それは「肉まん」でした。
ホカホカご飯にホカホカの肉まんが可愛らしく私を迎えてくれました。
もうマスコットにしたい程の可愛らしさですね。
私がもし仮に会社を立ち上げたら、これをマスコットにする事を心に決めまし。
私は素手で肉まんを掴みます。
五口、六口と肉まんを齧りました。
そして箸を持ちます。
残った白米の出番です。
すると「これデザート」と言って母がもう一品差し出してくれるではありませんか。
何と言うサービス精神でしょうか。
心遣いに感謝をしなくてはいけませんね。
そのデザートとは。
「あんまん」でした。
甘い物は別腹と良く言ったものですね。
私はお腹を擦りながら美味しく頂きました。
そして手を合わせます。
「ごちそうさま」と言うのでした。
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