ドライなドライカレー

 皆様はドライカレーを普段食べられるでしょうか。


白米と具材を炒め、カレー粉で味付けした物です。

ピラフと同じ位置付けに感じますが、レシピだけを見るとチャーハンに近いものも感じます。


お恥ずかしながら私は余り食べたことがありません。

父は作った事が無かったと思います。

給食で出たでしょうが、記憶にありません。


私自身もレシピこそ想像はつきますが、作ったコトはありませんね。



 ある日のお昼。


母が「今日はドライカレーだよー」と言って電子レンジからお皿が取り出されました。


私は直ぐに気が付きました。

母がドライカレーと言っている物はキーマカレーの様な物だなと。

認識が曖昧ならそんな名前の間違えも有ることでしょう。


カレー粉で炒められて全体が黄色い訳では無く、白米の上に炒めた物が乗せられています。


私は言いました。

「うん、すっごいドライだね」


白米の上には焦げたポソポソした物が乗っていました。

どの程度焦げていたのか。

それは元が何か判別出来ないレベルです。

白と黒のコントラストが素敵ですね。


しかし焦げとは旨味にもなります。

料理では焦げを「メイラード反応」と言います。


メイラード反応とは、糖とアミノ化合物を加熱することによって起こる反応です。

人が旨味を感じる大切なファクターの一つです。


つまり目の前のこれは旨味の権化という事になりますね。


私は一口食べました。

ふむふむなるほどなるほど。

口の中で食材を転がします。

やはり私の考えは間違いでは無かったですね。


それはそれはすっごく苦い。

インスタントコーヒーの粒ををそのまま口に入れたくらいに苦い。

これはご飯がとても進みますね。

一口入れたらご飯をかきこまずには要られませんね。

悪魔的ご飯の爆誕です。



私は手を合わせて「ごちそうさま」と言いました。



ちなみに母は良く焦がします。

それは何故か。

食材を火に掛けたまま掃除をしだすのです。

病気のせいにしたくはありませんが、言った所で直りません。

直せません。

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