かさ増しレシピは主婦の知恵

 皆様は「かさ増し」をご存じでしょうか。

ご存じの方はどの様な、かさ増しレシピをされていますでしょうか。


私が思い付く範囲ですと、豆腐を使ったかさ増しが浮かびます。

肉だねに水切り豆腐を入れてかさ増しします。

豆腐ハンバーグ等が代表的でしょう。

このかさ増しはメリットがいくつも有ります。


まず、コスト削減。

水分量増加による食感をソフトにする効果。

何よりカロリーダウン。


デメリットはパンチが無くなるくらいでしょうか。


他には「実家のカレーはシャバシャバ」なんて話しもたまに耳に入ります。

これは家計を預かる主婦の知恵です。

シャバシャバで美味しく無いなんて言っては罰が当たりますよ。

この場合ですと、ルーに対する水の量をかさ増しするという事になりますね。



 とある日のお昼。


直前まで温められていた黄色いレミパンから何やらお玉で掬われています。

珍しく汁物が出てきました。

私は口を付けました。


もったいぶらずに結論を言いましょう。


それは「限り無くお湯に近い麻婆豆腐」だったのです。

遥か遠くに麻婆の残穢が有ると言いましょうか。

今は亡き麻婆の面影をお湯に浮かべてご飯を食べるのです。


私は母がこれを作るレシピを知っています。


まず大量のキャベツを切りレミパンに敷きます。

そこに切った豆腐を乗せ、水を並々注ぎます。

並々とはどのくらいか。

具材が浸るまで、ではありません。

レミパンの八分目までです。

そしてここに麻婆豆腐の素を入れます。

一人前用の素です。

煮立ったら完成です。


キャベツが煮られて甘いではありませんか。

豆腐は程よく硬く、大豆の味をシンプルに感じさせます。

お湯が、温かい。


温もりを感じているとやって来ます。

「ゃぁ、ぼくまーぼーだょ~」

彼はかくれんぼが大変上手なのです。

私はこう思います。

「直ぐに見付けてあげれなくてごめんね」



そして手を合わせたした。

それから「ごちそうさま」と言うのでした。



ちなみにこれが母の得意料理で頻出します。

母はどんな料理でも基本的にキャベツを入れます。

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