あぶく立つさま

 朝焼けがやってくる前

 ひとりでに覚ました意識

 静かな夜に、眩むの空

 蛇口をひねり、さわる水音

 流れる雫、解けた氷体ひょうたい

 重ねる雫、あぶく立つさま


 ありふれたことの一つを

 意識をしても途方がないこと

 呆れて息が漏れてしまうこと

 馬鹿らしいなと、ひとりの世界

 笑うしかない、適当なこと


 撥ねた無色を示した鏡

 歪んで見えた顔色、景色

 もしくは正しい世界の見え方

 見る人により、覗く人により

 そうして世界は形をなくす


 それは本物、きっと本物

 偽物もそう、きっと本物


 他愛もないこと、考えたとき

 鏡の中の自分でさえも

 同じことを考えるのか


 同一だろうか、そうではないのか

 途方もないこと、わからないこと

 やはり呆れて物言えぬこと


 あぶく立つさま、ぼんやり見つめる

 うつる自分の波うつ表情


 どれも本物、きっと本物


 呑み込むことで、私はそうした

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