110話 3-20 おてんば梨花
梨花も緊張が解けたのかソファーの凛の上に覆い被さる様に倒れ込む
「あ!わ!わ!梨花?」
「さっきの凛ちゃんカッコ良かった!お母さんがあんな風に黙っちゃう事無かったし‥‥」
「‥‥‥アタシはETOに比べたらまだまだよ‥」
「え?」
「アメリカに連れて行かれる直前のアタシをママから連れ戻してくれた‥‥‥」
「なにそれ惚気?許せない‥」
ニヤリとする梨花‥‥
「‥‥‥‥や!梨花!どこ触ってんの!」
「ありがと〜凛‥大好き!‥」
「‥‥‥‥‥キャ〜〜〜助けてETO〜」
ソファーで凛にじゃれ付き出した梨花‥
『‥梨花も変わって無いわ‥‥』
「来たわよ?おてんば梨花が‥‥‥」
意味深な言葉ですみれさんが椅子をずらしテーブル隅に座り直すとスッと母さんの隣に避難するETO‥‥‥
「‥‥‥‥ちょっと?二人共?」
「ふふっ‥それが梨花ちゃんの本性よ‥」
「なにそれ!」
「てか二人とも遠くない?!」
「凛も程よいお肉〜〜」
「キャ!」
凛はニコニコの梨花に張り付かれている
「昔から家で散々暴れてれんくんより私に叱られてるわ‥‥‥」
『そうね‥ビニールプールでボディーソープをぶちまけて庭が一ヶ月泡だらけだった事あったわ』
「リビングでメントスコーラもやったわね‥見てあの天井のシミ‥‥」
『野良猫を勝手に家で飼おうとクローゼットに立て籠もったり‥』
「宅配ピザを勝手に頼んでウチの会社に請求も来たわ‥‥‥」
‥‥‥‥‥
「‥‥‥‥‥‥‥梨花?」
「えへへ‥‥‥昔の話しだって!」
「さっきまでのしおらしくって可愛い梨花を返して!」
「凛!ここにいるわよ〜?」
「あ〜!もう!パンツ見える!梨花!」
「気にしない‥‥」
「気にして!蓮司もいるのよ!」
『私は下着に興味ないわ?』
「‥っ‥‥‥ETOだった‥‥‥梨花!ちょっとこっち来て!」
梨花は凛の部屋に連れて行かれた‥部屋でも凛の大声がギャーギャー聞こえていた
‥‥‥しばらくすると梨花は普段着のジーパンとトレーナーに着せ替えられて出て来た‥‥
「おてんば梨花!今からお昼作るから大人しくしてて!」
「分かった〜」
すっかり凛に懐いてしまった梨花‥
そう言えば二人の距離感は似たもの同士かも知れない
梨花は母さんの隣に座ると嬉しそうにお茶を飲んでいた‥
「そう言えばETOにはじゃれ無いのね?」
母さんがニコッと梨花を覗き込むと、突然モジモジし始め
「‥‥‥‥‥ETOさんは神様だから‥」
「そうよ!偉いわ梨花!」
電子レンジを操作しながら凛がニッコリ笑う
「でもえとくんには飛びつきたい」
「ダメよ!梨花!アタシも我慢してるの!」
ツンとそっぽを向く梨花と口元だけが笑顔の凛
凛はほうれん草とベーコンをサッと炒めたおつまみを母さんに出した
「ありがと〜凛ちゃんが居たら私楽だわ‥」
凛の作ってくれたおつまみを食べながらゆっくりとビールを飲む‥「楽だ」には梨花の相手も含まれていた
お昼はみんなで凛の作ってくれたほうれん草とベーコンのトマトクリームパスタを食べた。
もりもり食べる梨花は割と食べ方が下手で隣から凛に口をチョイチョイ拭かれていた‥その隙に凛の皿からベーコンを取っている
「しっかり見えてるわよ梨花」
「‥‥変えっこだよ」
梨花はほうれん草を凛の皿に移す
「ちゃんと食べなさい」
凛の目が光る
すみれさんが申し訳無さそうに
「‥‥‥‥ごめん‥言い忘れてたけど、梨花ちゃんメッチャ食べる子‥‥」
梨花はほうれん草を戻すついでにパスタもベーコンも取って行く
‥‥‥梨花の食欲を見誤ったわ‥
その後、梨花は凛におにぎりを二個作って貰い幸せそうに食べていた‥‥‥
‥‥‥‥
「美味しかった〜〜!凛ってお料理も上手!何でも出来ちゃうんだね!お嫁さんみたい!」
「えへへ‥ありがとう梨花‥アタシも梨花が美味しそうに食べてくれて嬉しかったよ!」
恥ずかしそうに照れ笑いする凛だった
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