101話 3-11 丹羽さんよ?

 「はぁ‥‥羨ましいわ‥私もそんな風にナチュラルに仲良く出来る彼氏が欲しい‥」


「‥‥‥東さん綺麗だしモテそうですけどね?」


凛がお茶を飲みながら言うと蓮司も頷いた


「ありがとう凛ちゃんだけよ‥そう言ってくれるの‥」


「会社とか良い人いないんですか?」


「‥‥‥‥‥‥‥私って何故か人が寄って来ないのよ‥‥‥」


「え?‥‥人馴れしない僕でも‥見た目すごく優しそうだし話しやすそうに見えますよ?」


蓮司は首を傾げた。


「何か恐ろしい背後霊とかいたりするのかしら‥‥‥‥‥」


キョロキョロする東さん


「経費でお祓いとかやってみようかしら」



「「アハハ‥‥‥‥‥」」



しばらく三人で談笑していると東さんのスマホに着信が入り静かになった



「はい、東です!お疲れ様です」


‥‥‥‥‥‥‥‥


どうやら仕事の着信らしい、そう言えば東さんは仕事の途中で荷物を届けてくれたいた



「お茶くらい自分で何とかしてください!‥‥そんな事で!暇なんですか?‥‥‥‥‥‥サボってないです!蓮司君の家にいます!」


「‥‥‥‥‥‥なんで勢い無くなるんです?丹羽さん‥‥‥‥」



相手は丹羽さんだった‥


‥‥‥‥


「分かりました!ブラックコーヒーですね!」


「失礼します!」


‥‥‥‥東さんは呆れた様に通話を終了した


二人はジッと東さんを見ていた‥


「背後霊の正体分かったかもです‥‥‥」



「な‥なに?」



「‥‥東さんて丹羽さんといい感じだったりします?」


ニヤニヤと凛が聞いた


「は?‥‥‥凛ちゃん?分かってるわよね?丹羽さんよ?」


「えぇ‥‥知ってます‥‥未婚で彼女もいないって聞きました」


「丹羽さんよ?」


「はい‥‥Visionの部長さんで普段はふざけた感じですが異常なほど気が利く紳士な所がありますね‥‥あの人見た目以上にモテるでしょ」


「確かに‥部長って立場の人ににアレだけ絡まれてれば社員は声掛けづらいかもですね‥」


蓮司と凛は納得したかの様に腕を組み頷きながら話した


「‥‥‥‥」




否定出来ない‥‥‥




「二人とも‥‥‥大人をからかっちゃダメよ?」


キリッとする東さん


「あら‥東さんてコッチ側の人間でしょ?もうそんな古い脅し文句の通用する時代ではないですよ?」




「ぐぬぬ‥‥‥」




高校生にぐうの音も出ない程押し込められる二十五歳‥



「‥‥帰ります!」



東さんはお茶を飲み干しキッチンのシンクにコップを持って行く




「丹羽さん寂しがってるのかな‥‥」




蓮司が凛の耳元で呟くと




「蓮司君!」



「は!はい!」




東さんは聞こえていた


「あまり羽目を外し過ぎないようにね?私もマネージャーも大変なの‥‥‥‥‥」


笑顔の東さんだが目は笑っていなかった


「‥‥‥はぃ‥‥‥‥‥」


怒られた子犬みたいな蓮司を苦笑いで撫でる凛





東さんは蓮司の家を出る前、凛に


「そう言えばさっきの話じゃ無いけど蓮司君と凛ちゃんにはやっぱりボディーガードは必要だと思ってたの‥‥‥会社ではそう言う武闘派みたいな人は派遣出来ないからクリエイターは個人で警備会社と契約したりしてるわ?」


「今日届けてくれたお友達なら蓮司君も懐いてるみたいだし私はアリだと思ってる‥」


「もし、正式にスタッフとして雇いたいってなるなら私に連絡入れてね?」


凛は不満そうにそっぽを向き「警備会社でも良いんじゃ無いかしら‥‥‥」と言った


「普通のクリエイターならそうね?だけどETOちゃんは違うでしょ?信用できる人が良いと思うわ?‥‥‥‥‥‥考えておいてね?」



東さんは笑顔で手を振り


「じゃあまた次の勉強会でね?凛ちゃん!蓮司君も!たまには会社に顔を出してね?丹羽さんも寂しがってるから!」


蓮司と凛は笑顔で東さんを見送った








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