100話 3-10 凜の気持ち

 蓮司が自室に入るのを確認した東さんは身を乗り出して小声で


「で?蓮司君とはどこまで進んだの?」



‥‥‥‥‥‥キョトンとする凛


「‥‥何がです?」


東さんは座り直し、額に手を当て考え込むように


「はぁ〜〜〜‥せっかく同じ屋根の下に居ながらこの様子じゃ何も無いわね‥‥」





‥‥‥?





「凛ちゃん‥蓮司君とまだ付き合ってないの?」



「‥‥‥‥‥‥」



凛はゆっくりと東さんが何を言いたいのか理解した‥‥‥‥‥





「っ‥‥!!!!」




「ないです!!」



凛の顔は一瞬て沸騰した



「そう?私にはアリにしか見えないけど?」


「何がですか!」


「蓮司君が好きでしょ?」



‥‥‥‥‥‥‥‥



「東さん‥‥‥‥ストレート過ぎます‥‥‥」




「‥‥‥‥‥‥蓮司君て‥あの歌コン以来変わったわよね‥‥‥自信が出て来たのか‥良さが隠せなくなってる‥」


「元々素材が良いから目に止まりさえすれば男女問わず惹き付けるし性格も優しくて中性的だから万人受けする‥」




「‥‥‥‥‥‥分かってます」


‥‥


「ふふっ‥自分の気持ちは?」



東さんの目が見れない凛


「アタシにとって蓮司はまだ手の掛かる弟みたいな‥‥‥感じで‥‥‥そりゃ‥‥最近ちょっとはカッコ良くみえたり‥‥‥‥」


終盤はゴニョゴニョと聞き取れなくなる凛の声



東さんは優しい顔で凛を見ていた


「そうね‥蓮司君は知らなかった人付き合いを凛ちゃんから学んでる‥でもそれは距離感も同じ‥‥」



‥‥‥‥‥



「恋のライバルが増える前に言っておきたかったの!私は凛ちゃんの味方だからね?」


凛はすぐに梨花ちゃんの顔が浮かんだ‥‥‥



「どうしよう‥‥‥‥‥」



凛の中でまた少し大きくなる蓮司の存在、ETOだと思っていた自分の中の思い人が振り向くと蓮司のような気がした‥‥‥‥いや‥‥ETOだ‥


凛はうるさい心臓を落ち着かせようとお茶を飲み深呼吸した。


「‥あ!蓮司また無駄話してる!ちょっと呼んできます!」


凛は場の空気から逃げ出すようにパタパタと小走りで二階に蓮司を呼びに行く







凛が二階の蓮司の部屋をノックしようとした時部屋からETOの声がした‥



『‥‥‥‥‥これからずっと側にいてね?』




「‥‥‥‥‥‥‥‥‥」



凛の心の中にモヤがかかった‥

‥‥まさか梨花ちゃんと話してる?





「ダメ‥!‥‥」





凛はノックせずに蓮司の部屋に飛び込んだ




「ETOの側に居るのはアタシ!!!」





‥‥‥





『‥‥‥‥‥‥凛?』



怒りとも不安とも取れる表情の凛を見ながらETOは


『じゃあケン‥また明日学校でね?‥‥うん‥』


「バン‥ケン‥‥‥?」



通話を終了し凛を心配そうに見る蓮司


「ケンだけど‥‥どうしたの?大丈夫?」



家中に響いた凛の声で東さんが慌てて二階に来て凛を引き寄せた


「何でも無いのよ蓮司君‥‥」


東さんは苦笑いで凛をリビングに連れ戻し蓮司も後に着いてきた。




動揺する凛を座らせ東さんはキッチンに凛のお茶を足しに行く

蓮司は凛の隣に座り「大丈夫?」と背中を擦った


「ごめんね蓮司君‥私がちょっとからかい過ぎたのよ」



‥‥‥


凛は拗ねた顔で俯いていた


「アハハ‥そうだったんですか‥でもあまり凛をからかわないで下さいね?真面目で繊細な所あるんで‥」



凛はボソッと


「‥‥バンケンに側に居てって言ってた‥‥‥‥‥」


蓮司は困った顔で凛を覗き



「あぁ~‥‥‥今日も思ったけど、物理的にケンが居たら最強じゃない?僕や凛とは役所やくどころが違うよ‥‥」



「そうだけど‥‥‥‥‥」

「ETOがケンと話してると不安になる‥‥」







「‥‥‥‥‥‥‥‥」







『大丈夫よ?私は凛が一番だから‥』



ETOは凛の頭を優しく撫でると凛は東さんが居るからか恥ずかしそうに控えめに顔を肩にくっつけた



なるほど‥‥



「この無意識のイチャイチャがデフォな訳ね‥なら心配しないでも大丈夫そう‥」



東さんは微笑ましく二人を見ていた








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らくがき



にじむです


おかげさまで100話を迎えました!


ありがとうございますm(_ _)m


近況ノートに100話記念でETOのイラストを公開します!良かったら見に来て下さい(⁠^⁠^⁠)


              3/20



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