97話 3-7 プリクラ
奥に行くと格闘ゲームコーナーがありETOは立ち止まる。
「格ゲーか‥‥‥お姫にはちと早いと思うぞ?」
ケンが後ろからニヤリと笑うと
『ウチにこのゲームあるわよ?』
驚くケンにETOは
『引きこもりを舐めないで?』
対面のゲーム機の裏側に座るETOは横に凛を座らせるとヒョコっと顔を出しケンに
『何ボーッとしてるの?対戦よ?座って!』
‥‥‥‥‥‥‥‥
「泣いても知らね〜からな!」
ケンは財布から小銭と専用IDカードを取り出しセットした。
「‥‥‥ETO?大丈夫なの?」
心配そうな凛に
『多分、大丈夫よアーケードのは初めてだけど何とかなりそう‥』
ETOの顔は何時に無く真剣だった
ケンとETOの真剣勝負が始まった‥‥
‥‥‥‥‥‥‥
結果は僅差でケンの勝ちだった
「‥‥‥‥‥‥‥お姫‥強くね〜か?俺、全国出たことあるし結構強いと思うんだが‥‥」
『‥‥‥‥慣れたわ‥次行くわよ!』
ETOはケンにニヤリと笑いかけた
‥‥‥‥‥‥
「遠慮なく本気出すぜ!」
二戦目‥
ETOは身を乗り出してケンに叫んだ
「何このキャラ!知らないんだけど!」
「‥‥‥フッ‥アーケード専用の隠しキャラだ!こっちが俺の本気の分身なんでな!悪く思うなよ?」
二戦目はケンの圧勝だった
「きったね〜ぞ!!ケン!技判定がシビア過ぎだろ!」
顔を膨らませドヤ顔のケンを睨みつける
「フッ‥‥‥騒ぐなお姫‥‥コイツも攻略出来るキャラだ‥‥」
完全に蓮司に戻っていた‥
うるさい二人は凛に怒られながらギャーギャー騒ぎ別のコーナーに移動した
「アタシこれやりたい!!」
凛が指差すのは最新のプリクラだった
が‥‥‥‥
「お姫‥音ゲーは?」
「僕を誰だと思ってるの?最新の入荷曲見て?」
大きなETOの曲の見出しに蓮司はドヤ顔返しをした
「作曲とゲームは違うぜ?専用技術だ!」
「違うね!リズム感をベースにしたタップゲーだよ慣れを技術と勘違いしてる!」
‥‥‥‥‥‥‥
バシッ‥!
「いてっ!」
唐突な肩パンに焦るケン
「うわっ」
蓮司は急に後ろから羽交い締めに抱きつかれ驚く
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥ETOさん?」
耳元の低い女子の声にゆっくり振り向くと今にも爆発しそうな凛だった‥
『‥‥‥り、凛?せっかく可愛い顔が台無しよ?笑ってプリクラ撮りましょ?』
‥‥‥‥‥‥‥
凛に引き連れられETOはプリクラに吸い込まれて行った‥‥‥‥
『ちょっと!凛!』
「良いじゃない!記念よ!」
『限度があるわ!!‥‥‥あっ‥』
‥‥‥‥‥‥‥
しばらくすると大満足の凛と頭から煙の出るETOがプリクラ機から出て来た‥
嬉しそうにシールの取り出し口で待つ凛
「アッハハハハハ‥‥‥‥‥お姫!絞られたみたいにシワシワだな!」
入り口付近で待っていた大爆笑のケン
‥‥‥‥‥‥
『ケン?』
「‥‥‥‥‥」
『おいで‥‥』
プリクラ機のカーテンを開け手招きするETO
「‥‥‥‥‥‥‥」
ケンは気付かないフリをして目を反らす
バシッ‥
「イテッ!」
『動きなさい‥』
ETOのヒール先のローキックがケンの
ケンはETOに引っ張られプリクラに吸い込まれて行った。
「‥‥‥ちょっお姫!!」
『良いじゃない‥記念よ?』
「ち、ちがくて!!がぁ‥‥‥‥」
しばらくすると大満足のETOとホッペにキスマークの付いた白目のケンがプリクラ機からフラリと出て来た‥
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