三章 Diva
91話 3-1 プロローグ
凛と蓮司は真剣な表情で向かい合っていた
「本気?蓮司」
「もちろん!」
七月に梨花と三人で遊ぶ事が決まり、蓮司はある決意をしていた‥‥‥デイステのオタになりたいと‥
梨花はETOの歌を毎日のように聞いててくれたのに、蓮司はデイステはテレビのCMや歌番組で流して聞いた事あるくらいだった‥‥
これではいけないと感じた蓮司はETOオタである凛にオタを勉強したいと申し出ていたのである‥‥
「半端な気持ちでオタになりたいなんて無理なの‥‥蓮司には特に‥」
「だから最終確認よ!」
「ETOオタの中でもアタシは最強!推しのお世話が出来ている位置にいるからね?推しで死ねる位置よ?推しで死にたいの!この意味が分かる?」
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
さっそく分からない‥
「あの‥‥」
小さく手を上げる蓮司
「はい!蓮司くん!」
「それは困ります‥‥死んでしまっては元も子もありません‥‥ある意味誰かにその座を譲ると捉えられても‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」
「違うわ!!!死んでも死なないの!!」
「は?」
凛は優しい顔で目は笑わず
「あのね?好きな物って食べ続けたら飽きるの‥‥‥‥ 誰でも‥‥‥‥」
「蓮司もそうでしょ?」
「‥‥‥‥‥‥‥まぁ‥ずっとは無理ですね‥‥」
「アタシはETOを食べ続けられるわ!」
「ずっとよ!飽きないの!」
‥‥‥‥
「チッ!」
「‥‥‥‥これ言ってたら森永思い出したわ‥」
「違うわ‥これは、ただの心意気‥‥‥」
「ホントにやると森永みたいな異常者よ‥‥」
「怖いですね‥‥‥」
「‥‥‥‥自分から言っておいて何ですが‥やっぱり普通のファンで良いかと思いました‥‥」
「分かってくれた?蓮司!」
嬉しそうに蓮司の隣に座り直す凛
「あなたは誰かのオタになれないのよ?」
「沢山の人に推され、崇められ奉られるの‥‥」
「ね?ETO?」
『‥‥え‥‥えぇ‥そうね‥‥‥‥‥‥‥‥』
『‥凛?‥‥‥少し離れて貰っても?』
ドン引きのETO‥‥‥‥‥
余計にくっつく凛
「普通のファンなら歌と振り付けとメンバーくらい覚えれば良いんじゃない?」
‥‥‥‥‥‥それがオタなんじゃないかと思っていた蓮司は見てはいけない世界を少しだけ見てしまった気がしていた‥
「分かった!とりあえず歌を覚えて見るよ!」
「ありがとう凛!」
ヘッドホンを頭に掛けて目を閉じキレイな声の鼻歌が溢れる蓮司‥‥‥
凛は思った‥
蓮司がガチで歌うとデイステのメンツが潰れるのでは無いかと‥デイステがお金を払う側になるのでは?少なくともアタシはお金を払ってでも聞いてみたい‥
もし、ETOの声に梨花ちゃんの世界基準のパフォーマンスが混ざれば‥
幼い頃、二人が誓った約束がここまでハイレベルのものだったかは分からない‥
だが‥
二人の願いが叶う事はない‥‥‥‥
デイステ‥梨花がNEOの所属である事が悔やまれる‥
友達と仕事‥‥‥
ETOと凛がVision所属である以上交わる事の無い世界線‥
16歳の高校生が割り切るには少し重い現実かもしれない‥
蓮司は凛の視線に気付き無垢な笑顔を見せる‥
凛は切なそうにその笑顔に笑い返した‥‥
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
らくがき
いつも【時限の歌姫】を読んで頂きありがとうございますm(_ _)m
ハートや星の評価、大変感謝しております!
さて‥始まりました【三章】 Diva ですが、この章で100話を迎えます。
こんなに長く書いてしまうとは‥‥‥なんて思ってたりしますが、蓮司達が高校に入学してからまだ三ヶ月程度しか経っていません(笑)
先の長いストーリーになります。
好き勝手書いてますが完全完結はさせたいと思ってます。
これからもよろしくお願いします(^^)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます