65話 2-29 バレてたので友達に
すみれさんは諦めて目を閉じ独り言の様に
「れんくん、凛ちゃん、せっかく色々仕込んでくれたけどムダだったわ‥」
「アッハハ‥」
笑う佳代子さんも凛そっくりだった。
「ねぇ!すみれさん‥‥‥」
「すみれで良いわよ〜 かよちゃん!凛ちゃんに聞いたわ、同い年ですって」
「ええ!!ホント?なんか嬉しい!」
「で、改めまして、江藤すみれです。よろしくね?」
蓮司そっくりの可愛い笑顔に目を丸くする佳代子
「江藤さんってETO‥‥」
「そ!小さい時、蓮司はえとくんって呼ばれてたのよ‥」
「なるほどねぇ~」
佳代子さんが関心したように頷く。
「あ!すみちゃん?で、そっちの家で二人の様子ってどうなの?」
「あぁ‥凛ちゃんが蓮司にベッタリね‥‥‥」
「はわわ‥‥‥‥ごめ‥‥‥」
引きつる佳代子さん
「ふふっ‥違うの、凛ちゃんがベッタリなのはETOの方よ!」
「え?」
‥‥‥‥‥‥難しそうに首を傾げる佳代子さん。
「説明が難しいけど、蓮司はETOを使い分けて生活してるの‥‥」
「あの声と容姿でしょ?男である蓮司には生き難い世の中だったからね‥イジメを受けて‥その声や容姿を毛嫌いしてたわ‥‥そして自分の中で分離させて出来上がったのがETOって所ね‥」
「でもETOの事が大好きな凛ちゃんに出会って変わった‥‥変わったと言うよりちゃんとETOと向き合って受け入れる事が出来たんだと思うわ」
「だから私も蓮司も凛ちゃんに感謝してるの」
「でもETOにベッタリ過ぎて蓮司をどう思ってるのかは分からない‥まぁ蓮司自身も分かって無くてされるがままって感じだけど」
「少なくともお互い異性として意識してないベッタリだからセーフね!」
「あら?アタシは蓮司君がそのまま結婚の挨拶き来てくれても大歓迎よ?」
ニマニマ笑いながら言う佳代子さん
「まぁ、なるようにしかならないんだけどねぇ~‥‥見守るしかないわ‥‥今のところ蓮司は基本、凛ちゃんに可愛くされてるから姉妹みたいだけどね?」
佳代子さんは腕組みをし不機嫌そうに
「なんか楽しそうで私ロスに行くのが嫌になって来たんだけど‥‥‥‥」
「ふふっ‥‥‥ さ!ランチにしよっか!」
ETOが蓮司である事がバレてしまっていた為、急激に仲良くなったすみれと佳代子。
その後、最後に日本で友達と遊び回りたいと凛にすみれを一日借りる連絡を入れた佳代子が話しの経緯を説明した。
凛は自分が思いっきり失言した事を思い出し反省しつつ厳しい口止めを母、佳代子に言付けた。自分にも言い聞かせたのだろう。
引っ越しの搬入作業が終わり、昼過ぎには凛の部屋の荷解きもほぼ終わっていた。
「ふぅ‥ちょっと疲れちゃった‥‥後は冬物のだからゆっくり片付けるかな‥」
休憩しようとリビングに降りると蓮司はソファーで座ったままウトウト昼寝していた。
凛は蓮司の隣に座り窓から入る湿った風で少し乱れた前髪を整えた。
起きる気配の無い蓮司の手を取り握ってみる。
女子の凛ですらビックリするほどの柔らかく綺麗な手‥
握っても起きない蓮司の手に指を絡め横顔を見つめて様子を伺う‥‥‥起さないようにゆっくりと蓮司の肩に頭乗せ寄り添ったまま凛も少し眠った。
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らくがき
にじむです
本日、二章の下書き執筆が全て終了致しました。
三章に関しては検討中です。
本日より、1日1話〜2話のランダム更新となります。
二章はまだまだ続きますので今後とも応援よろしくお願いします。
2/20更新
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