第33話 幕間2 真実と責任
食事中、蓮司は丹羽との話を思い出していた。
そして、決意する。
凛と東さんには全てを話そう‥‥
食事を終え、蓮司は丹羽から預かった書類の入った封筒をリビングに持って来た。
東さんはそのよく見知った封筒に反応する。
テーブルに封筒を置き、三人に向かって、話を切り出した。
「大切な話があります。」
東さんは黙って真剣な顔になった。
凛は首を傾げ
「アタシにも?」
蓮司は頷く。
そして封筒から書類を取りだし
「母さん、僕V動画の正式雇用のクリエイターになろうと思う。今からその話を東さんから聞いて欲しいんだ。」
母さんに封筒を渡した。
「でも、その前に凛と東さんの二人には僕の言えないでいた秘密を聞いて欲しい。これは、丹羽さんには話してある。」
蓮司は隠していた声の事、不登校だった事
そして‥その声がいつか消えてしまうと言う事。
二人は真剣に聞いていた。時折、辛そうな表情を見せる凛。
話終えるとリビングには何とも言えない静けさが残る。
凛がその静けさを切るように
「でも‥‥まだ、ETOは消えてない。蓮司とETOは同じだけど違う!ちゃんと居た!」
「ETOはアタシ達と同じ年だよ?みんなと同じように、青春を送っちゃいけないの?」
「蓮司は男だけど、ETOは女の子で二人共アタシの友達‥‥」
「変な事言ってるかもだけど、つまり何が言いたいかって言ったら‥‥ETOを隠さないで欲しい‥‥‥昔の事もあるのは聞いた!‥でも、‥‥アタシにもETOを守らせて?」
蓮司は凛の言いたい事が分かったし、凛ならそう言うと分かってた。蓮司自身、ETOは凛の前で何回も顔を出している。隠しきれない。
「凛?僕は今の凛にETOを任せるのは‥‥‥難しい‥‥‥」
「友達としてなら、気楽に今まで通り僕と友達として居てくれれば良い。」
凛は目を閉じ俯いた。
「でも、マネージャーとして、責任を持ってくれるなら‥‥‥‥。」
凛は前のめり気味に
「責任なら今までも持って来たつもり!まだポンコツだけど、これからちゃんと勉強するし頑張れるよ!!」
‥‥‥‥‥
横から東さんが
「凛ちゃん‥‥‥蓮司君の言う責任って分かる?
お仕事‥‥だから凛ちゃんにもお給与が発生するって事なの。」
「は?え?」
凛は驚いて蓮司を見る。
蓮司は頷いた。
東さんは真剣に凛の目をみて
「友達と仕事の境界線を曖昧にしちゃダメ‥」
‥‥‥‥‥
「凛ちゃん?あなたはまだ高校生、理解出来なくて当然なの。不安もあるしお金が発生するプレッシャーもある、それに今は働くよりも遊んで、学ぶ事が一番大切。断っても誰も責めないよ?」
東さんは凛の背中を優しく撫でた。
「‥‥‥‥‥‥‥‥」
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