第28話 凛も美少女アイドル?

 凛は東に連れられ舞台袖のスタッフ待機スペースに来ていた。

東は紙コップでコーヒーサーバーからコーヒーを入れ


「ここの飲み物セルフだから自由に使ってね?‥‥えっと‥‥」


「凛です‥上田凛です。」


「そっか、凛ちゃんも飲む?」


「‥はい‥いただきます。」


凛は東の横に並び紅茶を入れた。

二人でテーブル付きのベンチに座りコーヒーを飲む東は凛に


「エトウ君のマネージャー歴は長いの?」


「いえ!!‥‥‥つい、この間からです‥」


「そっか〜‥‥  彼氏?」


凛は熱い紅茶を吹きそうになりながら前のめりに


「ち、‥‥違います!!」


「同じクラスの友達です!」


真っ赤な凛にクスクス笑いながら


「ごめんね、凛ちゃん」


「心配?エトウ君の事‥」


凛は困った笑顔で足元に目を落し


「そうですね‥‥嫌がる蓮司をなかば無理矢理、歌コンに出場させちゃった罪悪感が今になって込み上げて来てます‥‥」


「マネージャーだって結局重要な所ではただの足手まといでしか無かったので‥‥」


東は驚いた顔で凛を見ていた。

凛が居なければV動画はETOを出演させる事が出来ず甚大な被害を被っていたかも知れない。


東は凛の手の上から手をそっと重ね


「そんな事ないよ‥少なくとも‥私達社員やエトウく‥ いえ、蓮司君は凛ちゃんが居てくれてとても良かったと思ってるよ」


「マネージャーとして、友達としてこれからも凛ちゃんを頼りにしたいと思うよ?」


凛は驚いた顔で東を見る。何故V動画の社員が自分に感謝しているのか分からなかったし、こんなポンコツをまだマネージャーとして見てくれている理由が分からなかった。


凛は首を傾げる


突然


ワァーッとメインステージから歓声が聞こえた。


東はスマホを見て、

「今【デインティー・ステップ】のステージが終わったかな?」


「あ!デイステも出演してたんですね!たしか元ダンスパフォーマンスのグループから派生したアイドルでしたよね?」


「そ!センターの梨花ちゃんは世界大会にでる程のダンスの実力よ?」


「‥‥‥‥」


「どうかしましたか?東さん」


マジマジと凛を見る東は


「凛ちゃんも普通に‥‥ 美少女アイドルやれるわよね」


凛は両手と顔をブンブンと振り


「アタシなんか!無理です!」


「え〜‥絶対可愛いしモテると思うけどなぁ〜」「あ、モテると蓮司君、怒るかな?」


「だから!蓮司とはそう言んじゃ‥‥」


真っ赤な凛の頭から煙が出そうだ。


「ごめん‥凛ちゃん、からかいすぎた!」


「あ!もうすぐ出番だからもう少しここで待っててね?」


頬を膨らます凛の頭を撫でて待機スペースを後にした。


程なくしてステージ周辺が騒がしくなって来た。‥と言うか騒がしい所では無い騒ぎ。

数人の警備員が行ったり来たり、機材を慌しく運ぶスタッフさん


「道!開けてくださーい!」

叫ぶ声、ロープを持った人が走り抜ける。

ステージ内にかなりの大人数の人が入って行く。


何事?‥‥凛は急に胸騒ぎがした。


東さんと男の人が待機スペースの近くで真剣な顔で話している。

‥‥東さんは凛を指差し何か話していた。男の人はチラッっと凛を見て東さんの肩を叩き非常口の方に消えて行く。


東さんはニコニコと凛の方に歩いて来た。

「さ!私達も袖口に待機しようか」


東さんに連れられて歩く凛は


「あの‥‥蓮司のステージですか?」


心配そうな表情で東を見ていた。







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らくがき


にじむです。


小ネタ


原作漫画で東さんのスマホ画面が写るコマがあり

その中の歌コンのセットリストに


アイドルグループ

【UME★・酸っぱいチャンズ】(ウメスパ)

とあります。


お気に入り!


ファンから大量の梅干しがプレゼントとして事務所に送られて来るのが悩み。という設定です。


カリ梅ちゃん推しです!

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