第16話 仲直りしてね?
食事を堪能し、落ち着いてきた来た所で凛がスマホを取り出して蓮司に言う。
「蓮司〜、朝から話してた歌コンのチケットやっぱ取れなさそうなんだわ〜‥」
「‥‥そうなんだ。」
「でね?アタシが歌コンに出ようと思うの!」
蓮司は飲んでいたアイスコーヒーを吹きそうになる。
「で、出れるの?」
凛は自分のスマホを蓮司の鼻先に突きつけると
「これ見て!」
近すぎて見えなかった画面の距離を調整すると、画面には
『【歌コン】 一般の部も開催予定・応募審査有り・年齢、男女問わず動画審査で決定‥‥‥
』
「‥‥‥」
「まだギリ時間あるしアタシこれに応募してみようと思うのよ!」
「蓮司!明日時間ある?」
「あるけど‥」
「じゃあ、明日はカラオケね?カメラマンよろしく〜!」
機嫌よくピースする凛に蓮司は
「すごい自信だな‥凛ってその‥‥やっぱいいや」
「?‥‥応募してみないと合否なんて分からないでしょ?逆に応募しなきゃ絶対合格しないじゃん!」
‥‥おぉ!凛がすごく良い事を言っている!
きっと爆発物を目の前にしても爆発するかどうか分からないって言いそうな危うさだが‥
「あとね、出場することが目的じゃないの‥」
「ETOが出るかもでしょ?」
「客席よりも近くで見れるかも知れない‥」
そこまでして会いたいんだ‥蓮司は申し訳無さそうに俯いた。
「そろそろ良い時間だし帰ろっか!」
「そうだね。」
蓮司は支払いを済ませ凛の待つ出入り口に向かうと凛が嬉しそうに横に着け
「ごちそうさま。お腹いっぱい!あ、明日のカラオケはアタシが払うからね!」
「うん」
二人で外に出て駅に向かう途中、凛はモジモジしながら蓮司の顔ををチラッと見て
「あのさ‥やっぱアタシは空気とか読むの苦手だからさ、また蓮司を怒らせたりするかも知れない‥‥ 蓮司って入学時から保健室登校してるじゃん?‥アタシは蓮司の過去に何があったとか全然興味無くて‥‥」
凛は少し大きく息を吸って
「でも、今の蓮司は‥大切な友達で、これからも友達で居たいから、また喧嘩みたいになっちゃっても‥仲直りしてね?」
困った様な笑顔で話した凛の表情はもう友達を失いたくないと伝わるものだった。
「うん‥僕も言えない事が沢山あるけど‥凛とはずっと友達で居たいと思うよ。」
軽い向かい風で一瞬だけ見えた蓮司の素の笑顔を凛は見逃さなかった。
とてもキレイな顔だった‥
いつか、ちゃんと顔を見せてくれたら良いな‥‥
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らくがき
にじむです!
ラフにも関わらず蓮司の素顔を描くテンションの高さよw
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