第5話 夢
あ‥これ夢だ‥‥と分かる事がよくある。
今まさにそんな状態だった。気分が悪い時は最悪な夢を見たりするが今日の夢は分かる。良い方の夢だ。
ずっと幼い頃だ。滑り台の上で歌う小さい男の子、江藤。歌に入りきっていると滑り台の下から数人の男の子が
「へんな歌!」
「女の子みてぇ!」
「だっせ〜」
と悪口を言われた。いつもの事だった。江藤はしょんぼりし泣きそうになる。
この時、自分の声は少し変なんだとこの頃から自覚する。
「もう歌わない」
と小さく呟き滑り台を降りようとすると。女の子が反対側から花の水やり用のホースを持って登って来た。
「ステキな歌よ?」
江藤は固まる。
ニッコリと笑う女の子は江藤の手を引き
「じゃ、あたしのためだけに歌って?えとくん!」
と滑り台の反対側の水道に繋がったホースで水のシャワーを滑り台の反対側にかけた。当然、水は男の子達を直撃。
「うわ〜!」
「マジお前やめろ〜!」
「暴力女!」
男の子達はびしょ濡れで走って逃げた。シャワーの虹がまるで特設ステージの様にキラキラしていた。
「大きくなったらね?えとくんが歌って、それで私は踊るの!た〜くさんの人達の前で!ね?約束!」
「リンちゃん」‥
キラキラした笑顔は僕の光。
ETOを生んだ光だ。
薄っすらと視界にモヤがかかりビクッと目が覚めた。
江藤は机で寝てたようで目の前に笑顔の凜がいた。
寝ぼけていた江藤は目の前の凜と小さい頃助けてくれたリンちゃんがかさなる。
「あ‥上田さん?」
「今、凜ちゃんっていってたじゃん!寝言?」
とニヤついた。
「凛では無いけど‥聞いたのか‥」
江藤はうつ伏せたまま小さく両手を上げ‥
「参った!凛。寝言の事は言わないで‥」
凛は「私も蓮司にヤギ歌を聞かれたからチャラだね〜」何故か凛は嬉しそうだった。
「ね!蓮司!メッセのアドレス交換しよ?」
「あ‥‥ぅん‥良いよ?」
「なに?イヤそう‥」
「そんな事無いよ‥」
お互いにスマホを向け合いアドレスを交換した。
「あ‥やっぱ蓮司もアドレスにETOって入ってるんだね~」
一瞬ギクリと固まった。ETOオタであろう凛がどこで真実に気がつくのか不安でもあるのであまり情報を与えたくないのもあるが‥
「?」
凛は不思議そうに首を傾げ
「アタシのも入ってるよ?」
と自分のスマホを江藤に見せた。
「‥‥ホントだ‥」
薄々気付いていたが凛って天然??
ガラスに映る自分の口元が自然と笑顔になっているのに気づく。
自分の心配とは斜め上の凛の受け答えは
少しづつ蓮司の暗い心を解していく感じがした。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
こんにちは にじむです。
この回の夢のくだりですが原作(漫画)ネームを丸写ししたもので解りにくくすみません(^_^;)
リンちゃんと凛はこの時点で同一の認識はありません。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます