第9話 純粋

「雨ってなんか不思議だよな。

どことなく夜を感じさせたり。異様な空気をもたらしたりさ。」

『そ、そうだね。』

こんな男の子と帰るなんて…!緊張が…

「あのさ、今度、家に行ってもいい?」

『私の家に…?』

「あ、うん。その、深い意味はないんだけど、もっとみきのこと知りたいなって思って。迷惑じゃなかったらでいいんだけど。」

(誰もお家にあげたことないけど、なんでだろう。れん君ならいいって思っちゃう自分がいる。)

『あの、いいよ。』

「まじで!ありがとう。じゃあ来週の日曜日お邪魔します。」




このときの私はまだ知らなかった。

彼はただ純粋な人だと思って、家にあがらせたことを私は後で強く後悔したことを。

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