第4話 その傷
(これはどういう展開なのだ?
急に呼ばれて、連れてこられて、いきなり初対面なのに触っていい?なんて聞く。
これは現実ではないのか?)
「あの、こんなこと言うのおかしいと思うけど、その、気になってさ」
(え……。もしかして……そんなはずは!)
「その傷」
(なんで?なんでわかったの?
メイクで見えないようにしてたのに。
気付く人だって、いままでいなかったのに)
『傷…?なんのことですか?、、
そんなのないですよ、、!』
「いや、でも…」
『あーー!すいません。大切な用事を思い出しました!これにて失礼します!』
「ちょっと、まっ…!」
(これ以上は話せない!)
『はぁ~。助かった。』
まさか、高校初日、私には衝撃が大きすぎて、どっと疲れてしまった。
それにしても、なんでバレたんだろう?
しかも、触っていいなんて……
もしかして……
いや、今日はただメイクが薄かっただけかもしれない。
とにかく、普通に生活していれば、何も面倒なことは起きない。
そう……普通に…
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