夜中は筆が進む

滝川 海老郎

第1話 本編 400文字

 作家あるあるとして、夜中は筆が進むというのがあると思う。

 午前零時を過ぎるとエンジンがかかり、そこから三時間くらい書いた、とか。


 特に間に用事がないのがいい。

 夕方以降となると夕ご飯を食べたり、お風呂に入ったりと時間に制約がある。

 それらが全部終わって、世界は静かで、ただ執筆だけが待っているのだ。


 筆が乗ると一晩で短編一万文字を数時間で書ききったりすることができる。

 そういうときはかなり気分がいい。

 そこからはお布団に入って寝るのだ。


 夜型人間であることは前からだった。高校生の頃には午前三時前までは活動時間だった気がする。

 まぁ代償として、朝は基本起きられない。

 これは昼型人間用に用意された現代社会で生きていくには非常に脆弱で、心も体も壊れたりする。

 しかし夜型生活もそういうモノだと思って、それで生活できるのであれば案外快適だったりするのだ。


 ほら、こうして原稿用紙一枚分、四百文字を書くのも余裕で出来る。


「はい、完成」


 こうして今日も満足して眠る。

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夜中は筆が進む 滝川 海老郎 @syuribox

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