三つ巴

――ゴム弾か?

 痛みはあるが動ける。コンテナからコンテナに移動して相手との距離を詰める。

――パンッ!

 後ろからも乾いた発砲音が聞こえる。

「さっきのお巡りか!」

 このままでは挟まれ、不利になる。奥へと転げ込むように走り抜ける。ゴム弾と釘と銃弾の弾ける音が工場内に響く。三者が徐々に距離を詰めながら発射体が飛び交う。それぞれが紙一重で交わし、かすり傷を増やしながらも相手を追い詰める。

「「「動くな」」」

 三人同時に武器を構え、それぞれが向き合う。

「は?」「え?」「お前は⁉︎」

 それぞれの顔が窓から漏れる月明かりに照らされた。三人が驚きと疑問に満ちた顔をしていた。

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OLC短編① れをん @Leon0527

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