第51話 13話 まさかの正体

------------------------------------------------------------


「きっさっま-、誰にものを言ってるのか、わかっておるのか? ワガハイ、前回躾けておけと言っておいたはずだ~が?」

「はい、帝国貴族様。前回問題を起こされたので、家のお店には、出入禁止とさせていただきます」

 ミスティーは、以前やってきた帝国貴族とAランク冒険者に2人の兵士たちに、出禁と言いきった。


「テメェ、俺様に舐めた真似を。いいっすか、やっちまっても?」

「ワガハイ、ちょう~不機嫌。やれ」

「よしテメェ半殺し決定。犯したあと、頭下げて詫び入れたら殺さないでやる」

「あいにく、家のお店に落ち度はありませんので。お引き取りを」

 ミスティーの言葉にキレ、冒険者の男は剣を抜いた。


 ――キンッ

「困るじゃねぇかぁ、お客さん、彼女は俺の大事な人なんだよ」

「ポルコさん」

「テメェ、また邪魔しやがって……」

「ここだと、お店の迷惑になる。表に出ようか」

「上等だコラァ!!」

 貴族の男たちは表にでていった。


「今、チハヤたち呼びに行かせてます」

「大丈夫だ、ミスティーママ。すぐ終わらせるから」

 そう言ってポルコは表にでていった。

 ミスティーも心配そうに後に続く。


「ワガハイ、ちょう~心配。言うだけ言って逃げたのかと思った~よ」

「悪い、待たせたか」

 貴族の男はあおるように言い放つ。

「俺様からに逃げなかったのは褒めてやる。だが、お前……死ぬぞ? Aランクの冒険者に勝てると思ってんのか?」


「Aランク!?」

「ポルコ止めな」

「死ぬ気か」

「ポルコさん逃げて!」

 野次馬になっていた街の人々がポルコを止める。

 街の依頼ばかり受けていたので、ポルコはすっかり街の有名人だった。


「おぅおぅ、ギャラリーもいい感じに増えたし最高だねぇ! んじゃ……死ね」

 突然の抜刀。

 だがポルコも剣を抜き、防ぎきった。

「今のを防いだのは褒めてやる。だが、次で終りだ!!」

 またもポルコは防ぎきった。

 次も、その次も、と。

「いい加減遊ぶのは止めにせよ。お前たちも行け」

「「はっ!」」

 2人の護衛兵士も冒険者に加勢し、ポルコを襲う。


「もう終りだ」

 ポルコは3人を危なげなく気絶させた。

「ワガハイ、ちょう~激怒! 誰に手を上げたかわかっているの~か? ワガハイ、帝国貴族だ~ぞ」

「あんまり、これ使いたくなかったんだけどね」

 そういってポルコは、懐から冒険者カードを出した。

「え……、Sランク!?」

 貴族の男は驚きのあまり言葉を失った。

「Sランクは、どこの国でも貴族待遇を受けられる。そして貴族は爵位関係なく、手を出されたらやり返してもいい。先に手を出したのはアンタだ。負けたアンタは法で裁かれる、それで終りだ」

「…………」

「衛兵さん、こいつら連れてってよ」

 エデンの兵士は、気絶した3人と、放心状態の貴族の男を連行した。


『おぉ!!』

「ポルコ凄ぇ!」

「街の英雄だ!」

「Aランクをぶっ潰したぞ!?」

「Sランクとかありえねぇ」

「ただの飲兵衛じゃなかった」

「ただのミスティーさんのストーカーじゃなかった」


「おい、最後の2つ言ったの誰だこらぁ!!」

『あはははっ』


------------------------------------------------------------

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る