第42話 04話 調教済み?

------------------------------------------------------------


「拾った」

「返してきなさい」

 即答で呆れ顔の姉さんに突っ込まれる。いや、犬猫じゃねぇんだから、って俺もか。


「で、どこで拾ってきたの?」

「帝国」

「あんたたち、帝国行ってきたの!? よく行く気になれたわね」

「いや俺たちも行きたくなかったよ。だけど、1度は見ておかんと駄目だったから、仕方な~く?」

「もう、しょうがないわね……」

「ありがと」

 何だかんだ了承してくれる姉さん。


「それであの子たちの住む場所、どうするの?」

「旧・リアライズの置いてた場所、更地にしたじゃん? あそこに寮を作ろうかなって、今タケルが作ってる」

 子供たちはカズマに料理を作ってもらい、絶賛フードファイト中。よっぽど食べてなかったのだろう。胃が痙攣/けいれんしないよう注意しなくては。

 7人のうち1人、おチビがいたが、それもキョウヤとヒソカが面倒みてる。


「とりあえず当面はメイド部隊に教育させて、あとは学校作るから、そこに入れて独り立ちさせるよ」

「そう。ちゃんと考えてるならいいわ」


「デケたネ!!」

 タケルが寮制作から戻ってきた。

 全員で庭先出て、寮を見に行ったのだが、

「でけぇよ!!」

「大きすぎるね」

「おりょ? やり過ぎたネ?」

 俺とカズマのツッコミで、やっと気づくタケル。

 旧・リアライズより一回りデカい。


「注目!」

 姉さんはパンパンと手を叩き、子供たちの注意をひいた。

「ここが今日から、あなたたちが住む場所よ。自分たちで掃除したりと、しっかり綺麗にすること。ごはんの準備もお手伝いさせるわ。いいわね?」

『はい、チハヤさん!』

「よろしい」

 え? もう調教済みですか、姉さん?

 何か子供たちの反応が、俺たちと違うですけど。


------------------------------------------------------------

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る