第41話 03話 とりあえず拉致る
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「誰が答えるかロリコン!」
「失礼な奴め。ロリコンは俺じゃねぇ、こいつだ!」
「レイジ! 僕はあれほどロリコンじゃなく父性愛だと……」
家のロリコンが何か言ってる。
「それで、カズマがロリコンなのは置いといて、これからどうするネ?」
タケルは、中に浮いた年長の子供の脇を突いて、笑わせていた。
「まずお前はその拷問を止めてやれ、そいつ泣くぞ」
「泣かないもん!」
半ベソじゃねぇか、可哀想に……。
俺はタケルに蹴りを入れ、もう一度質問した。
「悪かったよ、俺たちもからかいすぎた。でだ、もう一度聞くがお前ら、今の生活で満足してるか?」
服装を見ただけでも、こいつらが相当大変な思いをしてきただろうことは想像がつく。
「まぁ、してたらスリなんかしねぇわな」
子供たちは悔しそうに俺を睨む。
「今から言う条件は、施しでも何でもない。お前らに働いてもらい、その代価として住む場所や食べ物を支払う、対等の話しだ」
「対等の話し?」
初めて子供がこちらに耳を傾けた。
「そうだ。お前らがやるべきことをやれば、報酬として住む場所と食べ物を与える。あっ、そうだ、お前ら、病気で動けない家族とかいるか? 何か理由があって頼れない親とか」
「いない。みんな気がついたらスラムにいた」
スラムあんのか、やっぱ。
てか、ここもスラムか?
「他に仲間とかいるか? お前らで全員か?」
「こいつらだけが家族だ」
「全部で7人、大家族だな。で、どうする? ついてくる気あるか?」
子供たちは視線を交わし、うんとうなずき合う。
「信用……するぞ?」
「少なくとも、喰いもんや住む場所で悩む必要がなくなることは保証しよう」
こうして帝国の子供たちを拉致ってきたのだった。
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