第40話 02話 ふはははっ! 効かん、効かんぞヨ!

------------------------------------------------------------


「おっとソーリーネ」

 転移魔法で帝国へ向かい、早速問題発生。

 タケルとぶつかった子供は走り去った。

「タケル、財布は?」

「ない、ない、どこにもネ!?」

「普通の異世界チートなら、すぐに現金たんまりだけど、僕らは自給自足派だからね」

「まったく、こっちは現金少ねぇつうのに。俺も現金ほしいわ」

「2人ともゆっくりし過ぎネ! スリネ!早く追わないとネ!」

「カズマ、ロリコンレーダー発動!」

「だから僕はロリコンではなく父性愛で……」

「オォ! そうだったネ! ロリコンのカズマなら見つけられるネ!」

「だから僕は……」

「いいから行くぞ! テンプレ的にあの子が危ないパターンの可能性もあんじゃん」

「そうだった。――世界の子供たちのために」

 その瞬間、カズマは迷うことなく歩き出す。

 俺とタケルは、カズマの後ろをついていった。

 路地裏へと向かうと、たどり着いたのは崩れかけの廃墟だった。


「チッ、つけられたか」

「悪ぃ、ドジ踏んだ」

 そこには貧相な服装の子供たちが。

「どうやら盗んだ子が最悪な状態になるパターンは回避できたみたいだな」

「本当によかった~」

「安心、安心ネ」

「「「ははははっ」」」

 最悪なパターンは、大人のスリに儲けをとられ殴られるなど、子供に被害がいく場合が。

 今回はどうやら、子供たちはチームとして一緒に生きてるっぽい。

 さっきから、全員に睨まれてるからな。

「こいつら何笑ってるの? 馬鹿か?」

「箱入りの貴族かな」

「綺麗な服だし、貴族じゃないの」

「油断すんな、他に護衛がいるかもしれない」

 子供たちは全員、木の棒を手にしていた。


「ふふふっ、そんな棒っきれで何をする気ネ! さぁ、大人しくしろなのネ!」

「いやタケル、それだと悪の台詞だよ」

「さもなければ、このロリコンの餌食にしてくれるわ!」

「レイジまで何言ってるの! 僕はロリコンじゃないよ!」

 子供たちは目で合図し、連携しながら襲いかかってきた。 


「ふはははっ! 効かん、効かんぞヨ!」

 タケルは一撃一撃を小さな障壁で防いでいた。

「ちょ、待って、話し合おうよ! てかタケル大人げないよ!!」

 危なげなく、余裕を持って回避するカズマ。

「ほいっ、ほらよっと、綺麗に着地100点満点!」

 俺は向かってきた奴を、次々にクルッと一回転させ綺麗に着地させていた。


「こいつらヤバすぎる……」

「逃げるぞ!」

「お前らは先に行け!」

 年長の子供たちは、おチビや女の子を優先させ逃げさせた。


「ふふっ、にがさんぞヨ!!」

 タケルは浮遊魔法で子供たち全員、中に浮かせた。

「クククッ、手も足もでんだろう」

 俺は手足をばたつかせてる子供たちに、からかいの言葉をかける。

「もう、タケルもレイジもからかいすぎ!」

「「へ~ぃ」」

 うん、からかうのも満足したし、話し進めるか。



「で、お前ら、行く場所とか頼る場所とかあんのか?」

 俺は年長の子供にわかりきった質問した。


------------------------------------------------------------

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る