第27話 27話 キズナネットワーク
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「それで、何しに来た。家の娘をもらいに来たのか、あぁ?」
獣王の雰囲気に呑まれ、獣王の家臣とロミオの従者たちは緊張していた。
こういう人間は、感情で動く。プレゼンの進め方も少し変更だな。
力には力を、で。
「それもある」
「ふざけんじゃねぇ!!」
獣王の怒声に従者たちはビビる。
だがロミオは、なんてことなく会話を進めた。
「もちろんそれが私の〝本命〟だ。だが、それだけではない。今日はアラモードにとって有益な話をもってきた」
「有益?」
「レイジ」
「あいよ」
バトンタッチ。ここからが俺たちの戦いだ!
VRスクリーンを表示し、映像を流す。
『〝キズナネットワーク〟。それはエデン王国と友好国の固い友情のあかし』
『今エデン王国は、急速発展をしています』
『大きな資源、高い技術。これらを友好国にもおすそ分け。みんなで豊かになろうという計画です』
エデンだけでなく、他の関わる国も『魔改造』する。これも異世界にヲタ文化を普及するためだ。
『先ずは安全面。エデンでは、新たな魔法城壁が作られ、どんな魔法攻撃・物理攻撃でもかなりの時間を稼げるように。』
『そして、冒険者や兵士の装備を一新。従来の装備より、より強力でより安全な装備に。見た目の良さからも、オシャレとして装備を購入する人も』
『次に生産面。エデン王国の目玉・エデン湖。綺麗な湖からは豊富な食料が。休みの日は遊覧船にのって観光もいいですね』
『裏山からは、岩塩や動植物がたっぷり。魔物を退治する部隊・ゴブリンソルジャーズがいるので、安心して動物たちは繁殖できます』
『畑は、新たな技法・新たな魔導具により生産量を大幅に増加。生産される種類も豊富になりました』
前世の現代農法+魔法の新たな方法に、トラクターなどを生産した。これによって、農業の作業効率を上げた。
『住民たちの生活水準も上昇。各家庭には、魔導具を徹底完備。衛生的でゆったりとした生活が送れることに』
『ですがこれでは、満喫できるのはエデン王国だけ。凶悪な者は、それを狙い襲って来るかも』
『そうだ! それなら、欲しい人に広めればいいじゃない! 世界を発展させよう!』
そう。俺たちはこの程度の技術を隠蔽する気はない。普及しまくり、前世の現代水準まで世界を発展させる気だ。
『そこで登場するのが〝キズナネットワーク〟。友好国との絆のあかし』
『まず、エデン王国と友好国に〝転移装置〟を『ステーション』という建物に設置。『ステーション』には各地の転移装置が集まっています。いつでもどこでも気軽に行き来ができるようになりますね』
謁見の間に衝撃が走った。〝転移魔法〟というとんでもない爆弾を投入されたからだ。それも隠蔽するどころか半分譲渡されるという、とんでもないもの。
『次に技術交流。エデンの新たな技術を職人により実演で披露。友好国への普及をお助け!』
まさかと驚く獣人国サイド。こちらの隠す気ないノーガード戦法に次々とやられていく。
『次に魔力発電所の設置。これは魔導具を動かす燃料を作り出す機械。街に街灯を設置し、夜でも明るくするのもいいかも!』
『次が最後の目玉〝エデン王立学園〟。ここは未来の世界を作り出る子供たちを育成する全寮制学園』
『身分差もなく、やる気があれば大丈夫。衣食住も学園側が支給』
『最新機材・最新技術を使用し、最前線で活躍できる人材を育成します』
『これが〝キズナネットワーク〟。世界が繋がる絆』
『さぁ、みんな仲良くなろう!』
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