第26話 26話 極道?

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「姉御、完全にミーの負けネ……」

「確かにチハヤさん凄い美声だったね」

「ありがとう、カズマもなかなかだったわよ」

「僕たちの場合、曲作ったりしてるから全員歌う機会あったからね」

「実際俺、姉さんボーカルで曲作りたかったくらいだしな。素人とは思えん」

 やっぱ姉さんには、俺たちのバンドで歌ってもらおう。

「あんたたち、そんなことまでしてたのね」

「久しぶりだね、チハヤママの歌!」

「小さい時はねだって、いろいろ歌ってもらいましたが、最近はごぶさたでしたからね」

「今後は機会が増えるわよ、この3人に付き合わされてね」

「楽しみ!」

「僕も楽しみです」



「ん、見えてきたわよ」

 獣人国の城壁が見えてきた。

『全車両、スピード落せ。城壁が見えてきた、徐行運転に切り替えろ』

『了解デス』

 車についてる無線で指示を出す。姉さんもゆっくりしたスピードに落した。

「挨拶は俺がするか」

『獣人国の皆さん、驚かせてすまない。こちらは新たにできた国『エデン王国』の者だ』

 すると獣人国の兵士が近づいてきたので、窓を開けた。

「報告は聞いています。兵士が馬で誘導しますので、それに続き城までお向かいください」

「ご苦労」

 そのままゆっくりと城へ向かう。街の人たちは歓迎ムードで、手を振ってる人も。

 獣人の国といっても、人間もかなりの数がいるんだな。少なくとも人間を差別する国じゃなさそうでよかった。

 城の前まで行くと、綺麗に整列した兵士たち。その間に、文官らしき男と騎士の2人が立っていた。

「ようこそ獣人国『アラモード王国』へ。わたくしこの国の大臣バナジアと申します。長旅でお疲れでしょう。先ずは部屋へご案内いたします」

 大臣の指示に従い、俺たちは城に入った。車はメイドたちに管理させるので問題ないだろう。

「謁見は2刻後の予定となっております。問題ありませんでしょうか?」

「うむ。私もできれば早めに獣王に会いたい。それで頼む」

「畏まりました」

 それから風呂に入ったりとしていたら、あっという間に時が来た。



「ロミオ、段取りはいいか」

「うむ、大丈夫だ。途中でレイジに話しを持っていく」

 謁見の間へ向かう途中、ロミオと小声で確認する。いきなり俺が話すわけにはいかないので、途中で俺にバトンタッチ。そこから俺たちのプレゼンが始まる。



「よくきたな。会いたかったぜ、エデン国王」

「私もお会いしたかった、獣王」

 出てきたのは眼光の鋭い極道組長だった。


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