第24話 24話 外交開始
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「挨拶が遅れてすまない。改めて、3人とも本当にご苦労だった」
頭を下げるロミオ。トップの国王が頭下げたらマズいだろ。
「ロミオ様」
「非公式の場だ、問題ない」
街改造から1ヶ月、やっと生活も落ちつきはじめた頃。姉と俺たち3人は、ロミオにお呼ばれしていた。
ちなみにロミオの家は、城ではなく洋館になった。たんに俺が好みだった方を推薦した。選んだのはロミオだ。ロミオも城は不便だからと止めた。
「王国ができてすぐだが、外交に向かいたい。一緒についてきてもらえないか?」
「早いな。もっと落ち着いてからでもいいんじゃね? しかも王自らとか」
「帝国がいつ動くかわからぬからな。それに隣国の1つでも同名を組めれば、自然と帝国周辺国に伝わる。そうなれば、帝国が我が国に手を出そうとしたら周辺国が襲う」
「なるほど、早いに越したことはないか」
まぁ帝国が来ても、今のエデン王国を潰せるわけないんだが。
「行くのは、獣人国『アラモード』よね」
「う、うむ」
姉さんのツッコミに、少し詰まるロミオ。
「非公式の場だけど、アラモードの王女とロミオは恋仲なのよ」
「「「はぁ~ん」」」
ニタニタと笑う俺たち3人。
セバスや姉さんも、どこか微笑ましくロミオを見ている。
「すまない、本命はそこなんだ。彼女『ジュリエット・アラモード』とは、獣人国の街で遊んでいる時に知り合ったんだ。私は帝国の人間だったから、家名を名乗ることはできなかったが、まぁ、察してはいただろう」
「まさかのロミジュリかよ」
「しかも敵国同士とか」
「完璧な設定ヨ」
「これにはあたしも驚いたわ。完全に物語の主人公よね」
俺たち3人ばかりか、姉さんさえも納得の展開。
「でもよく敵国に侵入できたな」
「もともと、エデン側の警戒はないに等しいんだ。帝国の街と言っても、他の街とは距離がある。この国からだと『アラモード王国』の方が近いくらいだ。たぶん王国も、『魔境』の魔物を食い止める街だから、見て見ぬ振りをしてくれたのだろう」
「でも帝国から独立したわけだし、公式の場でやっと会えるってわけか」
「王になった以上、子を残さぬわけにはいかない。だが、できることなら好いた女性と共にいたい……。頼む、力を貸して欲しい」
「「「頼まれた」」」
次の計画先は獣人国か。
「またデモ映像作らなきゃね」
「もうネタが降ってきたネ」
「計画を1段先進めるか」
「あんたたち、まだ何か企んでるの?」
「「「当然」」」
また姉さんは目を覆い、呆れていた。何故だ?
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