第15話 15話 本物の執事
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「失礼します。ロミオナルド様が姫巫女様をお呼びです。表に馬車を用意いたしました」
異世界キャバクラ・リライズの扉が開くと、初老で白髪執事のおっさんがやってきた。
「すぐ行くわ。ついでに家の旦那もつれてくわ」
「姫巫女様の旦那様ですか。今街で噂になっていたのは本当だったのですね」
「セバスにも紹介しておくわ。あたしの旦那・レイジよ」
「はじめまして、レイジだ」
俺は言葉遣いとは裏腹に、所作は綺麗に深くお辞儀をした。
感動させてくれたお礼だ。
本物の執事、しかもセバスとは。キタこれ。
「これはご丁寧に。わたくし、ロミオナルド・プリンエデン陛下にお遣いします執事セバスと申します。今後ともよろしくお願いいたします」
「ミーはタケルネ! 本物の執事に会えて嬉しいヨ!」
「カズマです。お会いできて光栄ですセバスさん」
タケルもカズマも、本物の執事に興奮状態だ。
「すまない。俺たちの国では執事と言えばセバスという名前が定番の1つなんだ。しかも実力も申し分ない完璧執事」
「それは光栄です。ですがまだわたくしは未熟者。名に恥じぬよう精進いたします」
完璧な所作でお辞儀をするセバス。その姿に感動する俺たちヲタ3人。まるでヒーローに会う子供たちだ。正直、家の人材に欲しい。
不思議がる他のメンバー。
「お呼ばれしてるのでしょ? そろそろ向かわないと。お待たせしたら失礼よ」
ミスティーのツッコミで我に返る。
「ついでだ、例の交渉いくぞ」
「さっき街の資料〝メール〟できたよ」
「プレゼンテーションネ!」
「「「目指せ『異世界ヲタク化計画』!」」」
「あんたたち、何とんでもないこと考えてんのよ……」
姉さんに呆れられた。
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