第11話 11話 爆弾
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姉さんは、体を抱きしめ、額を近づけ、視線をかわしてくる。
俺もそれに応えるよう抱きしめた。
でも、言葉が出ない。あんなにも話したいことがあったのに。
「髪……」
「ん、何?」
「黒に戻ってるのが新鮮だなって……」
「あんたは真っ白のままね」
「いや、こっち来て、呪いの影響もなくなって黒に戻ったんだけど、慣れなくて。染めたんだ」
前世では鬼の呪いの影響で、髪の脱色や片腕に痣など、体に変化があった。俺に合わせて、姉さんも髪を染めていた。
「あたしも後で染めたいから用意して。あっ、化粧もある? こっちあんま無くて困ってたのよね」
「いや、姉さんも不老だよね? 年取らないのにいるの?」
「女の武器――必需品よ」
「はいはい……」
「あの~レイジさん、ここ街中」
「イチャイチャは後で見えないところでお願いしますネ」
「「あぁっ?」」
「「ひっ」」
カズマとタケルにツッコまれ、つい睨んでしまった。どうやら、姉も睨んだらしい。
「チハヤママ?」
「母様? そちらの方は」
ママに母様?
「あぁ、そうね、紹介するわ。キョウヤ、ヒソカ」
姉さんは、青年キョウヤと少女ヒソカに向き合い、
「あなたたち〝2人の父親〟レイジよ」
『まっじで?』
爆弾を落した。
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