第8話 8話 異世界ヲタク化計画

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「……ありえねぇ、まさか本当に倒しちまうとは」

「……本当に。圧倒的戦力、どこの国よりも強いかと」

「まぁ普通の国には、あんな武器や乗り物ないだろうがな」


 冒険者・ポルコと青年・キョウヤは驚いた。

 本来は、街を捨てさせ住民を避難させるべきこと。だが、行く当てのない辺境のため、戦うしかなかった。命を捨ててでも。

 そんな事態をあっという間に片付けた3人とその仲間たち。

 命の恩人だが、その戦力は少し恐ろしくもあった。

 身近に1人、大きな力を持つ者がいたため、なんとか混乱せずにすんだのだ。


「味方で本当によかった。ありゃ、1人1人が『姫巫女』レベルだ」

「〝母様〟ですか?」

「特にキングを単身倒したアイツは桁が違う。あんな集団が一気に来られたら、お前の母親もまず無理だろう」

「味方に引き込みますか?」

「街的には安全に発展させるためにもそうしたいところだが。まぁ下手に手を出さず、ほどよい距離で付き合うしかないだろう。こちらの命のためにも」

「敵になりそうですか? 少なくともそれはないと思いますが?」

「ああ、たぶんそこは大丈夫だ。興味がなくなったらそっぽ向いてどっか行くだろうよ、猫みたいに。だが、向こうの目的がわからん。力ある者で、こんな〝世界に捨てられた街〟にくるなんて、よっぽどの馬鹿だ」

「ポルコさんは馬鹿なんですね」

「言うじゃねぇかキョウヤ。だが俺は馬鹿じゃない、ただの物好きだ」

「いや、それでいいんですか?」


    ◇    ◇


「なんだ?」

 遠くに土埃をまき散らす集団。馬や馬車に相当無理をさせてるみたいだ。

「そういやあの青年、応援が来るって言ってたな」

 せっかくの初めての街。少しでも印象をよくしたい。立地がよければ拠点も作りたい。

「タケル、カズマ! 挨拶いくぞ!」

「ワッツ?」

「挨拶?」

「俺たちの目的を思い出せ、『異世界ヲタク化計画』を! ギャルゲがないなら作ればいい。そのための身代わりとなる主人公を大量生産しないと、世界の平和も俺たちがやらないといけなくなるぞ」

「そうだった、最初の街だもんね。ヲタ情報拡散のために交通網の整備もしないと」

「学園作ったり、もう街作りネ!!」

「あんまし深くは関わりたくない。だが、拠点第1号は作っとくべきだろ。そのためにも街の人と仲良くなっとくぞ」

「賛成」

「ヲタクが世界を征服するネ!」

「「そこまではしない」」


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