第2話
(こうやって今、ジューシが死んでたら私はどうなってたんだろう)
今さら反省しようが無駄な話だ
「リルネ様、″お祈り″のお時間ですよ」
「わ、わかった…今すぐ行く…」
あぁ来てしまった。″お祈り″の時間が
「?リルネ様。顔色のほうが悪いように見えますが」
「だ、大丈夫だよ!!ちょっと食べすぎちゃったかも!!」
なーんて嘘をつく。本当のことを言えば私は″お祈り″の時間が本当に嫌いなのだ。
最初は″お祈り″に反対だってした。でも彼らは聞いてくれない。
″お祈り″がないと彼らは生きていけないんだって
(でも…なんで私がこんな辛いことしなければいけないの)
″お祈り″はそんな簡単なものじゃない。
まず、お祈りには私の【エネルギー】という…簡単に言えば【体力と精神力】をとても消費してしまう。
最悪の場合【寿命】も減っちゃう
お祈り中は皆が私に【願い】をこめるの
そしてその願いが私の脳内をいっぱいにする
そしてその皆の願いがいっぱいになって私の頭が願いを処理し始めるんだけど…
(それが本当に辛い)
願い…なんて本当に綺麗なものだ。何故なら【願い】と言って、ただの欲望にまみれた煩悩を私は飲み込んでいるだけ。
そしてそれは体にも心にも毒なの。
皆が祈ってる時はその【欲】がからだを蝕んで頭が痛いし、考えたくないことも脳内に浮かび上がってくるし、精神的にも苦しいものばかり
というか、なにをどう足掻いても苦しくなってしまうようにプログラムされてるんだと…私は思う…
でもなんでこんなことをするんだろう。私はわからないまま、それを毎日やらされている
(理由も教えられないままこんなことされるなんて、どうかしてる)
なんて言ってたら″お祈り″の時間が来てしまった。
「リルネ様、お祈りのお時間ですよ。今日もたくさんの方の″祈り″を集めてきてくださいね」
「うん…」
「苦しくても、声を上げてはいけませんよ。貴方はこの場では″神″と同様の存在なのですから」
「ねぇ…ジューシ…」
「どうされましたか」
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