侵略された私たち

9霊視

第1話

ジー…ジー…ガガ、ジリリリリ!!


「う、う~ん…もう朝…??」


奇妙な目覚ましの音で私は今日も目を覚ます。

朝…といってもこの世界に朝とか夜とかのハッキリとした概念は無いんだけど。


「おや、起きましたか。リルネ様」

「あ…うん…」

彼は私のお世話役の【No.014】

でもいちいち″ナンバー14″なんて言ってられないから私は「ジューシ」と呼んでいる


「朝からそんな暗い顔をしないでください。今から朝食のほう、準備いたしますね」

「ん…ありがとう」


こうやって私の朝は始まる。起きるのは大体7時。そこから朝の準備をして、朝食をとって、とここまで見ると普通の人間の生活をしているみたい


「リルネ様は本当に朝に弱いですね」

「もう、そんなこといちいち言わなくて良いじゃない」

「ウフフ、すみません」


カランッ


「あ」

フォークが床に落ちる

「リルネ様はおっちょこちょいですね」

彼がしゃがんでスッとフォトナを取ろうとする

(今なら…)

私は首にめがけてナイフを振りかざそうとした。


「おや、?」

そういうと彼は振り向いた


「おやおや、リルネ様。どうなさいましたか?」

「あ、え、いや…」

「まさか…今わたしのことを殺そうとしましたか?」

「いや、違うよ!!ナイフの位置が変で誤解させちゃったね!!私もフォークを拾おうとしてただけだよ!!」

「おや、そうでしたか。ですが落ちたナイフで食べ物を食べようとするなんて…」


(…さすがにこの言い訳は通らないか…?)


「リルネ様もお下品ですね」

「も、もう…別に拾ってそのままご飯を食べようとしたわけではないのよ!!」


そんなことを言って、私はホッとした。

なぜなら私は彼のことを確実に″殺そう″としたからだ。

なぜなら彼はこの星と違う星の生命体、いわゆる【この星を侵略した敵】だからだ…

彼が誰かを殺したかは知らないが、私の家族を殺した仲間ということは揺るがぬ証拠である。


「はぁ…」

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