第3話 「案内」

「つ…疲れた」


放課後。私は二人に学校案内をしてもらっていた。

驚いたのはその広さ。故郷の学校とは比べ物にならないくらい広い。


「王都の学園はここしかないからな。必然的に大きくなるんだよ」


「教室も多いし、迷子になりそう」

「あはは!じゃあ、しばらくは一緒に過ごそうか」


ハルカの申し出はありがたかった。


「てか、リアの故郷、魔法ないんだ!?」

「うん、ないよ」


魔法がないことって珍しいのかな?

私の故郷にあったものはだいたい魔力で動かせるらしい。お湯を沸かすのも、明かりをつけるのも魔力でいけるんだって。


「王都では魔力が無い生活は信じられないからな。どんなところか気になるよ」

「うーん。こことあまり変わらないけどね」


故郷では当たり前のことが当たり前でないなんて。

ほんと、異世界に来たみたい。


「おーい、食堂に着いたぞ。さぁ驚け!ここが学園が誇る食堂だ!!」


食堂って聞いてたから椅子と机がただ並んでるだけだと思ってた。でも違う。


扉の先には絵本で見たお城のような景色が広がっていた。


「わぁ…すごい…!」

「そうだろ!俺も初めて見たときの驚きは忘れられないよ」


「ねぇねぇ!ついでになにか食べようよ!!私のおすすめはね、オムライス!」

「お前が好きなだけだろ。俺はうどんにしよう。リアはどうする?」


沢山メニューがある。なににしようかな。…よし決めた。

「私もオムライスにしようかな」


「オッケ。じゃあ、注文行ってくるな」

「うん、よろしく〜」


王都にきて初めての外食だ。楽しみだな。そう考えている時、頭上でバキッっと音がして、人が降ってきた。


その人は、朝ぶつかりそうになった人だった。

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