実は、中身が入れ替わってしまいました...

カイラ

第1話

親の再婚で、俺に出来た義理の妹、晶。

初めは弟だと、勘違いしていた俺...

そんなドタバタした出来事が過ぎたある日...


「...ニキ...兄貴...起きて...」

「うーん...今日は日曜日だろ...もうちょい寝かせてくれ...」

昨日は、晶とエンサム2で白熱し、相変わらずコテンパンにやられた俺は、夜中辺りまでゲームをし、その後ぐっすりと寝た...だが、ここで普通のことなら何も問題は無かったんだが、まさかこんな展開になるとはまだ知るよしもなかった...

「兄貴...大変なんだよ!起きて!」

「うーん、まだ眠いぞ。」

(あれ、気のせいか、俺の声が聞こえる。寝ぼけてるんかな...)

「もぅ~、この状況でも、まだ寝てられるの?」

と、言うと、手鏡をこちらに向けた。

そして、俺は、起きざるを得ない状況に落ちる。

「え、晶?何で目の前に...って、え?俺が何でそこにいる...?」

「どう?兄貴...」

俺の容姿や声だが、雰囲気はどことなく義妹の晶のようだった。となると、今俺は...

「こ、声が...高...い?そして、体つきもなんだか...って...晶!?」

そう、俺がどうやら晶になっているのだ...

「え?晶、これは夢かなんかか?」

「これが夢なら良かったんだけどね。現実だよ。昨日は私が何回買った?」

「5回だ...」

「そう、そして、今日は?」

「親父達は、朝から仕事...だろ?」

「そう...」

「ちょっと...顔洗ってくる!」

俺は洗面台に急いだ、そうだ、顔洗ってスッキリしたら目が覚めて、こんな夢はきっと覚める。

が、俺の願い虚しく...

「やっぱ、夢じゃなかったか...」

やっぱり、何度見ても、中身は俺だか...姿は、晶になっていた。こんな某ゲームやアニメみたいな出来事を俺が体験するとは...

「どっからどう見ても晶...だよな?」

顔つき、体つき...そして、俺に無いものも...

「って、何意識してるんだ...俺、晶の体になっているとはいえ...でも...」

思春期男子には少しきつい展開だ...お風呂の一見もあったが、改めて見ても、晶そのものだった。

髪や顔、腕つきを触っても、俺じゃない...

そして、俺の手...もとい、晶の手だが、俺には無いものへと、手を伸ばしていた...

「兄貴...どう?」

晶...もとい、外見俺で中身は晶が、こちらにやってきた。

「うわぁ!?」

「!?っと!どうしたの?」

「い、いや、何でもない。でも、これ...本当に現実か?」

危ない所だった、俺が色々触っている所を見られなくて良かったと、少し安心した俺がいた...いや、安心して良いのだろうか...と、俺の中では葛藤していた...

「残念ながら...何でこんな状況に、兄貴、原因分かる?」

「いや、さっぱりだ、昨日はゲーム後は、部屋でぐっすりと寝たしな...晶は?」

「私も部屋に戻ったら、宿題軽くして寝たくらい...かな?」

何か、俺が目の前でしゃべってるのが慣れない、そして、兄貴のはずの俺が喋ると晶の声になるのもまた、慣れない。

「でも、これ、どうやったら戻るんだろう...」

「原因も不明だし、他に相談するにしても...信じてもらえるだろうか...」

「でも、この状況、どう乗り切るか...」

「でも、何だか、不思議だね、兄貴はこんな景色を見てたんだね。」

「晶、この状況で、冷静にいれるんだな。普通はびっくりするもんだろ?」

「そりゃ、最初は、びっくりしたよ。でも、見ず知らすの人じゃなくて、兄貴と入れ替わりだからかな?ちょっと安心したと言うか...ね?」

「まぁ、その辺は助かったかも知れない...が、この状況をどう乗り切るか、だか...」

「ひ、一先ずご飯でも、食べて考えよ、腹が減っては戦は出来ぬと、北条氏綱も言ってたしね!」

「まぁ、それもそうだな。一先ずご飯食べてから状況整理をしよう。頭も働かないしな。」

確かに晶の言うことにも一理ある、この状況を打破するためにもまずは腹ごしらえが肝心、美由貴さんが作ってくれた朝食が、ラップして置かれているので、それを温める...

「でも、晶?この状況、何が原因かわかるか?」

「いや、今の所は...」

改めて、思い出してみる...

俺はと言うとゲーム後は、自室に戻り漫画を読みながら寝落ちと言う流れだった。

一方、晶も、自室に戻った後は、課題を片付けて、寝たと言う...

もし、何かあるとしたら、読んでいた漫画の内容だか、内容は、主人公とヒロインの中身が入れ替わりながら戦っている一風変わったアクション漫画だった...

「まさか、あれかな?」

「兄貴?何か分かったの?」

「あり得ないとは、思うが思い当たる節があるんだが...」

「どんなの?」

朝飯を食べながら、このあり得ない状況について話していく...

「俺が昨日呼んだ漫画のせいってことはないよな?」

「そんなゲームみたいな事、現実にあり得ないでしょ!」

「そうだよな!そんなゲームみたいな展開...今起きてるんだよな~」

「そ、そうだった...」

食事を食べる速度が遅くなる...

一先ず食事を終え、後片付けをして、リビングのソファに腰かける。

「しかし、こんなこと普通あり得るかな?」

「普通はない...が、必ずしも起こらないとは限らない...」

「何か私の声で兄貴の喋り方...何か不思議...」

「それを言うなら、俺の声なのに、晶の喋り方も不思議だぜ。」

「そういえば、親父達は、明日の夜まで帰らないから、まずはこの状況を打破する方法を考えよう。」

「そうだね、このまま月曜日を迎える前には何とかしたいね。」

「確かに、学校となると色々大変だ、それまでに何とかしないとだな。」

「でも、まずは、この喋り方もなるべく、そっくりにする必要ない?イレギュラーを想定しておいても良いしね?」

「でも、俺、晶の喋り方真似ること...出来るかな?」

「兄貴なら、大丈夫じゃない...じゃなくて、晶なら大丈夫だろ、かな?」

「うんうん、俺っぽい。」

「な、何かあっさり出来そうかもね?」

「お、おう、そうだな?」

「何か、大変な状況なのに、何か楽しいね!」

「あ、俺もちょっとそう思った...でも、楽しいんじゃいけないけどな!さて、解決の糸口を見つける為にも、まずは昨日読んだ漫画をみてみるか?」

「そうだね、その漫画に何かしらのヒントが見つかるかも知れないしね。」

「コラ、あんまり引っ付くな」

「えー?これはこれで貴重だからいいかなと...」

晶は、俺に抱きついてきた...

「こう見ると私って小さいんだな...」

「俺も晶から見たら大きかったんだな...」

「何だか変だね、この状況で」

「まぁな、でも、俺たちだからじゃないかな?」

「それは言えてるかも...じゃ、漫画見に行こ!」

そう言うと、漫画を見に俺の自室へと向かった...

さて、このまま入れ替わった2人の運命はいかに...


さて、時間は変わって、入れ替わる前の昨日の夜...

「って、こんな展開...普通ないよな?ま、だからこういう作品は好きなんだけど...さて、そろそろ寝るか~、晶にコテンパンにやられたな、次は必ず...」

と、俺は、漫画を読んで、眠くなったので寝ることに...さて、この時の俺...この先、今読んでいた、主人公とヒロインが入れ替わり戦っていくアクション漫画みたいな展開が待っているのを、まだ知るよしもなかった...




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実は、中身が入れ替わってしまいました... カイラ @kaira_0912

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