第40話 一度は信じた想い……
こうして、無事に和解した二人。互いに深い事情は知らずとも、信頼に足る人物と思えたのが嬉しいのか、自然と笑みがこぼれる。それはまるで、長年連れ添った仲間のように……。
「ふふっ、素直じゃないですね。それよりも、少しは分かって頂けましたか。本来、力とは愛する人を守るためのもの。何事も暴力で解決できるなんて、1つとしてありません。ましてや無抵抗の人に拳を振るうなど、決してあってはならないこと。そのような有り余る力があるのであれば、人々のために使われては如何ですか。そうすることで、お父様も
「そっ、そう簡単にいくだろうか……」
「はい。必ずやその想い伝わると信じ、無事解決するよう心よりお祈りしています。そしていつの日か私達と共に高みを目指し、人々を導ける日が来るといいですね」
「
こんなにも激しく向き合ったのは初めてではないだろうか。二人の間に
そんな時だった――。息を切らせ、突如として現れる
「――
どうやら
「ぐぬぅ――、
「――どうしたのですか、
「止めようとだと! そもそも、それが気に食わねえんだ‼ 本来なら、身を挺して割って入るのが仲間というもんだろ!」
取り乱す
「そうですが、その言葉は強い者だから言えること。それに
「なるほどな。だからといって、何でも人任せにしていいという問題じゃねえ。もし愛する者が目の前で殺されたら、お前ならどうする‼」
落ち着いた顔つきで話していた
「それは……多分……」
「想像がつかないなら、分かりやすく言ってやろう。いつも一緒にいる
真剣な
「いっ、
「ふっ、その顔はまんざらでもないようだな。じゃあ、どうなんだ!」
俯き恥じらう
「はっきりとは言えませんが、許せない……だろうと思います」
「そうだろう、それが人の本性なのさ! 他人であれば何とでも言葉を並べれるが、近しい人ならそうはいかねえ」
母親の想いを信じ貫き通す
「ですが
「ああ、俺もお前と同じようなことを思っていた。だが、そうじゃなかった……」
「それは、どういう意味ですか?」
「そのままの意味だが、少しだけ話してやろう。人の本性とは醜く卑しいということを」
一度は信じた想いを何故、諦めたのか。その想いを振り返る
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