第35話 徒手柔術VS合気柔術
互いに一歩も譲らない両者。
「――ふっ、そんなくだらん想いで世が救えるなら、俺の心も
「何と悲しきことでしょう。どうやら心の闇は深く、すぐには解けそうにもありませんね」
一方だけの想いでは、決して交わることのない心情。二人のすれ違う
「じゃぁ行くぜ――、
「おらぁっ――‼ どうした――‼」
素早く伸ばす手を難なくかわしているように見えるが、少しずつ追い込まれている姿は気のせいだろうか。悠々と受け流す
「なるほど、少しはやるようですね」
「なんだと‼ ――ちっ、まぁいい。その状態で、いつまで上から目線でいられるか見ものだぜ。確かにお前の合気柔術なら、他の奴らは足下にも及ばない。だが、俺の徒手柔術をもってすれば、少なくとも捕まえることは可能なはず。つまり体術に優れているのは、お前だけじゃないということだ!」
先ほどの話からして、
本来、相手を殴る行為は、拳を後方へ構え溜めを得る必要がある。そこで一瞬ではあるが、身動きは止まり隙ができる。走りながらでも動作は可能といえるが、それだと力が半減し受け流されるのが関の山。これに対し、掴むことに溜など必要なく、手を伸ばすことで間合いも詰めやすい。よって、
「おらぁっ――‼ どうした、どうした――‼」
素早く掴みにかかる
「――うっ、しまった‼」
「――ちっ、惜しかったなぁー。あともう少しで掴むことができたんだが」
「くっ――、さすがに両手を縛ったままだと、態勢を保ちづらいな…………」
不敵な笑みを浮かべる
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